2022 Fiscal Year Research-status Report
運動後の栄養摂取方法が消化吸収、代謝、身体回復に及ぼす影響
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21K17580
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤平 杏子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, JSPS特別研究員 (50884235)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胃排出 / 飲料温度 / 飲料摂取 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動後は身体回復の為に、速やかな糖・タンパク質の摂取が推奨されている。ところが、運動直後は胃から食物が排出される速度が遅延し、消化不良が起こることが報告されている。摂取する食品の温度は胃排出速度に影響を及ぼすことが報告されており、本研究では一過性の運動後に摂取する糖タンパク質飲料の温度が消化速度および胃不快感に及ぼす影響を検討した。対象者は12人の健常成人男性とし、実験は無作為化交差試験で実施した。対象者は実験当日、空腹の状態で来研し、20分間の間欠性サイクリング運動を実施した。対象者は運動終了後に、4℃、37℃、60℃の糖タンパク質含有飲料200 mLをそれぞれ摂取した。その後、胃排出の測定の為に90分間の呼気を採取した。研究の結果、間欠性運動後に4℃の糖タンパク質含有飲料を摂取した場合と比較して、60℃の飲料を摂取した場合では、初期の胃排出速度が速まることが明らかになった。さらに、糖タンパク質含有飲料摂取後の胃の不快感は、4℃の飲料を摂取した場合と比較して、60℃の飲料を摂取した場合に低い値を示した。本研究から運動後の温かい糖タンパク質含有飲料の摂取は初期の胃排出を速め、胃の不快感を低減させることを明らかにした。本研究は運動後の速やかな糖タンパク質摂取と消化を速める方法を明らかにし、運動後の速やかな栄養補給における、温度調整の重要性を示した。 得られた結果は、第8回日本スポーツ栄養学会大会で発表し、Journal of Physiological Anthropologyに原著論文として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果について学会発表および論文掲載まで順調に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では運動後の栄養補給温度が身体機能や消化機能に及ぼす影響について、中・長期的な期間で実証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究では物品費および証文品費の値下げによって次年度使用額が生じた。次年度は中・長期的介入を予定しており、被験者謝金、消耗品費の購入量が増加する予定である。さらに研究成果の発表に際し、国際学会での発表も予定しているため、次年度使用額を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)