2021 Fiscal Year Research-status Report
アルペンスキージュニア選手における競技会に求められる体力の検討
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21K17581
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
中里 浩介 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40708088)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アルペンスキー / ジュニア / 体力 / パワー / 滑走タイム |
Outline of Annual Research Achievements |
予備実験として大学生スキー選手5名を対象に体力測定を実施し,その翌日に大回転競技(以下,GS)と回転競技(以下,SL)をそれぞれ3本づつ滑走したタイムおよび平均タイムと,体力測定項目との関連性を評価した.当初の計画では,自転車エルゴメーター等を用いた実験室内での測定項目を予定していたが,新型コロナウィルス感染症の終息が見込めないため,フィールドテストを同時に行い測定項目間の関連性も評価した.体力測定項目は身長(cm),体重(㎏),体脂肪率(%),腕振り反動無しの垂直跳びの跳躍高(cm),スクワットジャンプの跳躍高(cm),リバウンドジャンプのRJ Index,抱え込み跳びテストタイム(s),正六角形跳びテストタイム(s),段違い正六角形跳びテストタイム(s),台跳び90秒の跳躍回数(回),最大無酸素パワーテストにおける最大無酸素パワー(Watt)および最大無酸素パワーの体重割(Watt/kg),ウィンゲート40秒テストにおけるピークパワー(Watt),平均パワー(Watt),および平均パワーの体重割(Watt/kg)およびシャトルランテスト(回)であった. その結果,SLにおいては,3本目と正六角形跳びのタイムとの間に有意な正の相関関係が認められた.GSにおいては,2本目,3本目および平均タイムとウィンゲート40秒テストの平均パワーとの間に有意な負の相関関係が認められた.これらの結果から,SL1本の滑走には正六角形跳びが,GS1本の滑走にはウィンゲート40秒テストの平均パワーが重要となる可能性が示唆された. また,測定項目間の関連性では,最大無酸素パワーの体重割と腕振り反動無しの垂直跳びの跳躍高およびRJIndexとの間に有意な正の相関関係が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も新型コロナウィルスの影響があり,測定項目を実験室内の項目だけではなくフィールドテストを含めて検討した.しかしながら,当初予定していた被験者がコロナ過のために参加できなかったことや,測定直前の怪我などにより予定していた人数よりも少なくなってしまった. 予備実験の結果から測定項目として正六角形跳び,およびウィンゲート40秒テストの有効であると言える.今後,その2つの項目を中心として測定項目を検討するとともに,コロナ過であっても多くの人数を安全に測定するために,実験室外で主に行うフィールドテストを中心に測定項目を引き続き検討する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は滑走タイムと体力測定結果の関連性の評価まで行えている.これまでの研究で用いられているFISポイントと体力測定項目との関連性に関して,2021/2022シーズンのFISポイントの最終版が5月以降に発表される予定であるので,2021/2022シーズンのFISポイントの最終版が発表され次第,FISポイントと体力測定項目との関連性の評価を行いたい. また,次年度以降,体力測定項目間に関しても引き続き検討を行う.コロナ過においては,実験室内では一度に測定できる人数が限られてしまい,多くの被験者の確保が困難となる.そのため測定項目を比較的換気状況が良いフィールドテストを中心にすることにより,多くの被験者が確保できると考えられるため,今一度FISポイントとのフィールドテストとの関連性を調査し,その中でパフォーマンスと関連する項目に絞り,滑走タイムとの関連性を調査していく必要がある.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染が終息が見込まれないため,測定項目の再検討のため自転車エルゴメーターの購入を見送ったこと,および学会のオンライン参加,予定より少ない被験者が主な要因である.また,被験者に関しては,旅費がかからなかったこともあり,費用が抑えられた. 次年度は,持ち運びを考え,より軽量なフィールドテストで使用する用具(正六角形跳び測定器具,段違い正六角形跳び測定器具,台跳び用台)の作成する.さらに自転車エルゴメーターの購入を予定している.
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