2022 Fiscal Year Research-status Report
動作課題と用具の振りやすさの違いが上肢スウィング動作に与える影響の解明
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21K17585
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
村田 宗紀 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 講師 (40756607)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動連鎖 / 慣性特性 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
上肢のスウィング動作は様々なスポーツでみられる基本的な動作である.例えばテニスサーブや投動作を対象に,肩関節内外旋動作などが対象部位(手に把持した用具や手)の速度獲得に対する主要動作であることなどが議論されており,その機序と身体特性の関係が検討されてきた.一方,ラケットとボールのように手に把持した用具の形状(特に長さ)が異なることは,用具の慣性特性(運動中の慣性モーメントの変化)が異なるだけでなく,用具の速度最大化に求められる運動課題(回転運動の制御の必要性)そのものが異なる.すなわち,用具の形状や慣性特性に応じ,スウィング速度獲得に求められる操作技術が異なる可能性がある.本研究では「打具とボールを振る場合では,選手に求められる技術が異なるか」,「動作中における用具の慣性モーメントや形状の変化は,上肢スウィング動作に影響するか」を明らかにする.なお,実験条件を任意に設定するために,剛体リンクモデルによる関節トルク入力型のコンピュータシミュレーションを用いて行う. 現在は,用具の条件を変えてシミュレーションを用いた分析を進めるとともに,実際にヒトを対象とした検証実験を進めている.また,指導現場などに資する知見を得るために,同一被験者に投動作とテニスサーブを行わせた実験をこれまでに実施しており,そのデータを分析している.そして,上肢各セグメントを順次流入出する力学的エネルギーの形態が課題間で異なることに加え(昨年度に報告),体幹部から上肢へのエネルギー流出の類似性が観察された.また,上肢各関節のKinematicsにも差異が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度の結果を受け,シミュレーション結果を検証するための用具を業者に外注することとしたが,仕様策定と業者選定が難航している.また,昨年度想定した通り,アクティベーション入力からトルク入力にプログラムへの変更を行ったことや,シミュレーションに使用していたパーソナルコンピュータが故障したことを受けて修復に時間を要したこと,それに伴って失われたシミュレーション用プログラムを再作成したことなどにより遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的なプログラムは作成が完了していることから,シミュレーションを用いた検討は継続して進める.一方,検証実験については早急に用具作成(業者選定)を行う.また,用具作成の進捗に応じて用具の形状や慣性特性を調整するのではなく,比較的容易に入手でき,かつ慣性特性が計測可能な用具を用意し,シミュレーションの条件を検証実験の条件に合わせることで,シミュレーションの妥当性を検証する.
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Causes of Carryover |
検証実験用の用具の作成に遅れが生じていることから,それに伴う費用が未使用となっている.また,昨今の社会情勢(COVID-19)を鑑みて,学会参加を見送ったことや,研究の遅れに伴う成果公表(論文執筆等)に関わる経費(交通費,英文校正費など)の減少により,未使用額がある.前者については,令和5年度中に検証試験を行うことから,業者選定を行い,用具発注を行う予定である.また,後者については学会参加や成果公表を行う.
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Research Products
(6 results)