2023 Fiscal Year Annual Research Report
打球データに基づいたテニスのゲームパフォーマンス分析の確立とトレーニングの実践
Project/Area Number |
21K17586
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
村上 俊祐 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (80835299)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 打球の質 / 打球の軌道 / ポイント取得率 / エビデンスベーストコーチング |
Outline of Annual Research Achievements |
テニスの技術評価は打球データを基に進められている。その多くの研究が、打球のスピード・回転数に着目しているが、打球の軌道に関する分析は未だ少なく、 ポイントの取得と関連させた検討となると皆無に等しい。 そこで本研究は、1)レベルの高い選手を対象に、どのようなスピードと回転数の球を打ち、どのような軌道の打球でプレーしているか、打球データに基づいたテニスのゲームパフォーマンス分析を行うこと、2)打球の打ち分けがどのようにポイント取得と関連するか明らかにし、それを基に設定した課題トレーニングがパフォーマンスにもたらす効果について検証すること、この2点を目的とした。これらを明らかにすることにより、指導現場で目標とすべきプレーや打球スピードや回転数の目標値を定めることができる。 2023年度にはトラックマンを用いて、プロ選手の試合中の打球データを収集した。また打球データの収集と同時に試合映像を撮影し、打球データとポイント取得との関連を検討した。これまでに取得した大学生選手のデータと比較すると、サービスおよびリターンに関する項目に違いがみられた。 2021年度、2022年度には大学生選手の試合中の打球データの収集を行いポイント取得との関連を検討したところ、選手のプレースタイルの違いにより、打球のスピードおよび軌道、ラリー数やウィナー数といったポイント取得に関係するスタッツに違いがみられた。 またこうした打球データに基づくゲームパフォーマンス分析の結果について、分析者・コーチ・選手を交えてミーティングを実施することで、対象とする選手のトレーニング課題を設定した。その課題を意識しながらトレーニングに取り組むことで、実際にゲームパフォーマンスの改善が見られた。 以上のことから、打球データを測定し、分析結果をフィードバックすることで選手の現状把握と課題設定を補助できることが明らかとなった。
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