2022 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋伸張性収縮時の筋肥大・損傷セットポイントを規定する分子メカニズムの解明
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21K17589
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中田 智史 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 特任助教 (20778881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋疾患 / 細胞モデル / 細胞損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は2021年度に開発した新規培養細胞手法を用いて、骨格筋疾患患者iPS由来筋管細胞とその遺伝子修復株iPS由来筋管細胞を培養し、一軸性の受動伸展(20%)を与え、細胞損傷に関連した指標の変化を解析した。 その結果、修復株に比べて筋疾患株では受動伸展後に培養液中におけるCK, LDH, ASTなどの筋逸脱酵素が増加することが明らかになった。また、DystromiRとして知られるmiRNA-1, -22, -30a, 95aが受動伸展後の培養液中で増加が見られた。さらに、修復株に比べて筋疾患株では受動伸展後の筋管細胞中でサルコメア修復関連遺伝子であるXIRP1, FLNC, PGM5の遺伝子発現が増加することが明らかになった。また、受動伸展後の筋疾患株ではネクロトーシス関連遺伝子であるRIPK1の遺伝子発現が増加していることが明らかになった。 これらのことから、細胞損傷のセットポイントを明らかにするために解析すべき分子の絞り込みが行えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の成果より、細胞損傷セットポイント解明のために解析すべき分子群の絞り込みが行えた。 これらの成果は、現在追加のデータの取得と国際学術誌への論文投稿を準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、2022年度に明らかになった細胞損傷関連分子群が力学的ストレスの量によってどのようなDose-Responseを示すかを明らかにするために研究を行っている。さらに、受動伸展だけでなく、電気刺激との組み合わせにより、伸張性収縮・短縮性収縮をin vitroにて再現し検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験に必要な試薬の世界的な供給量の減少によりm,納品予定日が遅くなり、今年度中の納品が困難であることから次年度使用額が生じた。次年度使用額は具体的に培養の必需品であるCorning Laminin/Entactin Complexの購入に使用する予定である。
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