2021 Fiscal Year Research-status Report
体幹捻転型プライオメトリクスの実施に求められる技術・体力要因の究明
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21K17591
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
高橋 和孝 日本体育大学, 体育学部, 助教 (60848539)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プライオメトリクス / 伸張ー短縮サイクル運動 / 体幹 / 三次元動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
投運動や打運動などにおいては、下肢や体幹捻転のはたらきにより大きなパワーを発揮し、上肢を介して、投擲物や打具の速度を高める必要がある。このパワー発揮能力を改善するための代表的なトレーニングとしてプライオメトリクスがあげられる。プライオメトリクスの効果は、主働筋によって発揮される力・パワーの大きさに影響するため、用いる運動の力学的特性が明らかであることが欠かせない。申請者らは、効果的な体幹捻転プライオメトリクスの実施を見据え、バーツイストというトレーニング運動における、体幹の力学的特性を示してきた。 プライオメトリクスは同じ運動であっても、一定レベルの技術を有して運動を実施できないと、ねらいとするトレーニング効果は得られない。つまり、体幹が大きな力・パワーを発揮できるように、適切な技術 (姿勢・動作) を遂行する必要がある。また、反動動作や動作終了時など、筋が短縮から伸張へ収縮様式が変わる際に、ケガのリスクは増大すると推察される。2021年度は、これらの問題点を解決するために必要な、運動の技術課題を動作解析法により定量化する。 体幹捻転のプライオメトリクスであるバーツイスト実施における、運動の技術課題について検証した。実験運動であるバーツイストを定期的に実施している男性競技者13名を対象とし、3次元自動動作分析システム (VICON MOTION SYSTEMS 社製) およびフォースプラットフォーム (KISTLER 社製) を用いて、各試技における地面反力、身体座標値を計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験運動であるバーツイストを用いて、三次元動作分析による実験を実施した。当初の予定通り適切に実験を行うことができたため、現在はそのデータ分析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度でははじめに,前年度に実施した実験のデータ分析を行う。地面反力データや下肢関節のキネマティクス変数 (関節角度,角速度など) およびキネティクス変数 (関節トルク,トルクパワーなど) と,体幹仮想関節 (左右肋骨下端の中点に設けた関節) における捻転トルク,トルクパワーの大きさについて検討する。 また、Farley et al. (1998) を参考に、バーツイスト実施時の体幹筋群の伸張局面における捻転角度変位と、発揮された体幹捻転トルクとの関係から、左右肋骨下端の中点に仮想的に設けた体幹関節のStiffnessを算出する。このStiffnessとバーツイストにおける体幹の力・パワーとの関係から、体幹捻転におけるStiffness (ばね) の有効性について検証する。
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Causes of Carryover |
購入予定であったバーベルシャフトについて、研究活動スタート支援(19K24322)で使用したバーベルシャフトを再利用することができたこと,参加予定であった学会が新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり,予算執行をしなかったためである。 前年度に実験し算出したデータについて、学会発表および論文投稿をしていく予定であり、英文校正や論文投稿の費用、消耗品などに、その分の額を割り当てる予定である。
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