2021 Fiscal Year Research-status Report
女性アスリートの月経異常への介入による新しい睡眠コンディション管理法の開発
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21K17604
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川崎 優 順天堂大学, 医学部, 助教 (30896759)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 女性アスリート / 睡眠 / 月経異常 / 無月経 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスリートのコンディション管理において睡眠は肉体的・心理的な回復の面で重要な役割を果たすことが知られているが、アスリートの睡眠に関する研究は不十分であり、特に女性アスリートの睡眠の質に関する研究は非常に少ない。睡眠の質の向上が競技パフォーマンスの向上へつながることが示唆されており、介入研究は急務である。 先行研究において①月経周期に伴い睡眠構築が変化し、睡眠は月経の影響を受けること、②主観的な睡眠の質の低下を男性アスリートにくらべて、より高頻度に認め、③月経異常が睡眠の質の低下に関連する因子であることを明らかにしている。 女性アスリートは継続的な激しい運動トレーニングが誘因となり月経異常を有する頻度が極めて高い。国立スポーツ科学センターにおいて国内トップレベルの女性アスリート683名を対象に実施したアンケート調査結果では無月経を含む月経周期異常のあるアスリートは約40%と報告されており、月経異常は女性アスリートにおいて健康管理上において特に重要な問題である。 以上より女性アスリートという集団においては月経異常が睡眠の質の低下をきたす主たる原因となっており月経異常への治療介入は睡眠の質の向上に寄与するのではないかという仮説を立てた。 本研究は月経異常への介入が睡眠の質におよぼす影響を経時的に評価することで月経異常が睡眠の質改善へのターゲットとなりうるかを明らかにする。その結果から女性アスリートの健康管理上の問題とされる月経異常を背景にした睡眠の質の低下の改善、新たな女性アスリートのコンディション管理方法の提示を目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は月経異常への介入による症状改善前と改善後の睡眠脳波データの収集を行った。 さらにサブ解析として月経異常に対する内分泌介入(低用量ピル、カウフマン療法、ホルムストローム療法)における各タイミングにおける睡眠構築変化の評価を行うためのデータ収集も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記のデータ解析をすすめ論文化するとともに、さらに長期観察を有する月経異常の中でも無月経を呈する女性アスリートの治療前と月経再開後の睡眠の質の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究遂行にあたり、初年度に各種消耗品ならびに簡易脳波計購入を計画していたが、順天堂女性スポーツ研究センター、順天堂大学大学院医学研究科 心血管睡眠呼吸医学講座より簡易脳波計の貸出および各種消耗品の利用が認められたため。さらにCovid-19感染症感染増加の影響を受け、予定していた情報収集のための学術集会参加がオンラインになったため旅費等が不要となった。
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