2021 Fiscal Year Research-status Report
大学生アスリートにおける反芻・省察が競技パフォーマンスと精神的健康に与える影響
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21K17608
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Research Institution | Seisen University |
Principal Investigator |
山越 章平 聖泉大学, 人間学部, 講師 (00837122)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 反芻 / 省察 / パーソナリティ / 大学生アスリート / 競技パフォーマンス / 精神的健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度においては、大学生アスリートを対象に、反芻・省察と精神的健康の関連を試合で必要な心理的能力と競技パフォーマンスに対する自己評価が媒介するかについて検討するために、質問紙調査を実施した。なお、試合で必要な心理的能力は心理的競技能力を取り上げ、精神的健康の指標としてストレス反応と主観的幸福感を扱った。 対象者は大学生アスリート163名であった。データ分析については、まず、反芻・省察が心理的競技能力および競技パフォーマンスに対する自己評価に与える影響を検討するため、反芻と省察を説明変数、心理的競技能力と競技パフォーマンスを目的変数として、それぞれの目的変数ごとに重回帰分析を行った。その結果、反芻は心理的競技能力に有意な負の影響を与え、省察は有意な正の影響を与えていた。また、反芻は競技パフォーマンスに対する自己評価に有意な負の影響を与え、省察は有意な正の影響を与えていた。 次に、反芻、省察、心理的競技能力、競技パフォーマンスに対する自己評価を説明変数、ストレス反応および主観的幸福感を目的変数として、それぞれの目的変数ごとに重回帰分析を行った。結果は、ストレス反応に対しては反芻が有意な正の影響を与えていたが、省察と競技パフォーマンスに対する自己評価は有意な負の影響を与えていた。心理的競技能力はストレス反応に有意な影響を与えていなかった。また、主観的幸福感に対しては反芻が有意な負の影響を、省察と心理的競技能力、競技パフォーマンスに対する自己評価は有意な正の影響を与えていた。 以上から、反芻と省察がストレス反応に与える影響はパフォーマンスの自己評価が媒介していること、また反芻と省察が主観的幸福感に与える影響は心理的競技能力とパフォーマンスの自己評価が媒介していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響のため、1つ目の研究のデータ収集が遅れた。そのため、当初予定していた計画よりやや遅れている。2022年4月から2つ目の研究のデータ収集を実施する予定であったが、3か月ほど遅れての開始となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1つ目の研究のデータ分析を至急終わらせ、論文としてまとめていく予定である。また、2つ目の研究のデータ収集を同時に行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は、情報収集および研究発表のため3つの学会に参加する予定であったが、諸事情によりどの学会にも参加することができなかった。また、データ収集が遅れたため、データ分析や論文として執筆する際の参考となる書籍や論文を購入していない。これらが、次年度使用額が生じた理由と考えます。
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