2023 Fiscal Year Annual Research Report
A new preventive measures against exertional heat illness based on thermoregulatory responses in intense radiant heat environments
Project/Area Number |
21K17622
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 直之 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 助教 (70800738)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歩行 / 走運動 / 日射 / 体温調節 / 脱水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、夏季のスポーツ観戦者や日常生活活動としての歩行・走運動の運動強度を想定し、以下の3つの環境条件を設定した。1. 日射を模した光線からの輻射熱を負荷して湿球黒球温度を28℃程度に設定した条件(日射あり条件)、2. 光線からの輻射熱を負荷せずに温湿度のみで湿球黒球温度を28℃程度に設定した条件(日射なし条件)、3. 日射ありと同程度の温湿度であるが模擬的日射なし条件(対照条件)。 今年度は、歩行を模した低強度運動(最大酸素摂取量の30%強度の運動)実験を学会発表した。今年度の実験では、上述の3つの環境条件にて走運動を想定した中程度の運動強度(最大酸素摂取量の60%強度)に設定したリカンベント自転車こぎ運動を60分間実施し、その間に代謝、体温調節反応、心拍数および血圧を測定した。その結果、運動時間が長くなると光線からの熱負荷がある場合には直腸温が有意に上昇し、また、発汗量も有意に増大することが示唆された。一方、心拍数は運動の後半に日射あり条件が他の条件に比較して有意に高くなったが、血圧やdouble productは条件間に有意な差はなかった。これらのことから、中強度運動では光線からの熱負荷がある環境で1時間運動をすると、運動の後半に体温が有意に上昇する。また発汗量も増大するため、積極的な水分補給が必要となることが示唆された。 これらのことから、安静および低強度運動時には核心温の上昇度合いは条件間で同程度であった。一方で、中強度運動では光線からの熱負荷がある場合には核心温がより上昇することが示唆された。また環境条件により体重減少量が異なることから、各々の環境条件と体重減少量に合わせて飲水量を調節する必要性が示唆された。
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[Book] 健康と運動の理論と実践2023
Author(s)
頼住 一昭, 小坂井留美, 新海 陽平, 大矢 知佳, 水藤 弘吏, 寺本 圭輔, 塚中 敦子, 吉子 彰人, 本田亜紀子, 松澤 俊行, 村松愛梨奈, 山田 浩平, 山下 直之, 森 誠護, 高橋 篤史
Total Pages
184
Publisher
株式会社 杏林書院
ISBN
4764412365