2021 Fiscal Year Research-status Report
青少年における個人の特徴に適した投法に関する研究:サイドハンドスローに着目して
Project/Area Number |
21K17629
|
Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
前田 奎 京都先端科学大学, 教育開発センター, 講師 (00846686)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 投運動 / 3次元動作分析 / スポーツ指導 / 学校体育 / ハンドボール投げ |
Outline of Annual Research Achievements |
青少年の体力・運動能力,中でも投能力の低下は,学校や社会におけるスポーツ活動の展開,継続のためにも,解決すべき課題の一つである.本研究では,「サイドハンドスロー」という投法に着目し,従来実施されてきた「オーバーハンドスロー」との比較から,体格や体力といった個人の特徴に適した投法とその動作の特徴について明らかにすることを試みる.個人の特徴に適した投法およびその投動作の特徴が明らかになれば,学校体育やスポーツ指導の現場における適切な投動作の指導,習得ならびに投能力の改善への貢献が期待できる. 本研究は,大学生を対象として,体格(身長,体重,指極,手の大きさなど)および体力(握力,立幅跳など)を測定した上で,「サイドハンドスロー」および「オーバーハンドスロー」によるハンドボール投げの動作を撮影し,3次元動作分析法を用いて解析する. 令和3年度は,大学の授業において,対象者の体格および体力を測定し,「サイドハンドスロー」および「オーバーハンドスロー」によるハンドボール投げの映像を撮影した.対象者は200名程度を想定していたが,新型コロナウイルス感染症の拡大によって,ほとんどの授業が遠隔での対応となったため,測定できたのは44名(男性:39名,女性:5名)であった.44名のうち,34名は「オーバーハンドスロー」よりも「サイドハンドスロー」において,投てき距離が高値であった. 令和4年度は,対象者の体格および体力のデータを整理するとともに,3次元動作分析を進める予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は,体格および体力の測定,「サイドハンドスロー」と「オーバーハンドスロー」によるハンドボール投げの映像を撮影した.44名の大学生を対象に,身長,体重,指極,手の大きさ,腕の長さ,脚の長さ,足の大きさを測定し,握力および立幅跳を計測した.ハンドボール投げの撮影に先立ち「サイドハンドスロー」および「オーバーハンドスロー」を練習する時間を設定し,いずれの投法についても2回の試技を行った.新体力テストに従い,規定の範囲からボールを投げ,定められた区域内に落下したもののうち,記録の良かった試技を分析対象とした.新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け,申請時における研究計画よりも対象者数は少なくなったが,分析に必要な最低標本数は確保できた.研究計画通り,令和3年度にデータ収集は完了しているため,大きな問題もなく,おおむね順調に進展していると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,体格および体力測定のデータを整理するとともに,撮影したハンドボール投げの映像の分析を進める予定である.データ分析と並行して,動作分析法において算出する変数について,研究協力者とディスカッションをしながら検討する.そして,得られた研究成果について,適宜国内外で学会発表および学術論文への投稿を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け,研究協力者との打ち合わせや国内外での対面での学会参加が厳しくなり,旅費や学会参加費として使用する機会が大幅に減少した.また,申請時よりも物品を安価で購入できたこともあり,次年度使用額が生じた. 令和4年度は,学会参加等の制限が緩和される方向であれば,予定していた学会参加費や旅費,研究打ち合わせにかかる費用として使用予定である.
|