2021 Fiscal Year Research-status Report
個人間運動におけるTwo heads are better than one効果
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21K17631
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
升本 絢也 広島文化学園大学, 人間健康学部, 講師 (40814413)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジョイント・アクション / 力制御 / タイミングの制御 / 個人間協応 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活の荷物運びや集団スポーツのパス等において、2人以上の人間が巧みに動作を相互作用させることで、1人ではできないことを2人で実現していると考えられる。このように、2人が1人よりも高い課題パフォーマンスになることは”Two head are better than on 効果(2HBT1効果)”と呼ぶ(Koriat, 2012)。 本研究課題では2HBT1が生じる条件に付いて検討するために、2つの実験を実施する。実験Ⅰでは、2人の参加者が同時に人差し指で力発揮し、その総和を二つの目標値に分離的あるいは周期的一致させる個人間課題と1人の参加者が力検出器に人差し指で力発揮し、目標値に一致させる個人課題を比較した。その結果、個人間課題は個人課題よりも力の誤差が小さく、2人は1人よりも高いパフォーマンスであった。さらに、実験Ⅰでは、先行研究と同様の課題と2人の参加者が力発揮し、その総和を目標値に対して持続的に一致させる課題を比較し、力発揮課題のタイミングの有無によって2人が1人よりも高いパフォーマンスとなるかどうかを検討した。その結果、その結果、持続的力保持では、個人課題と個人間課題の有意な主効果が認められなかったが、分離的力発揮と周期的力発揮では、個人間課題が個人課題よりも低い誤差であり、2人は1人よりも高いパフォーマンスとなった。したがって、本研究は新知見として、2人で1つの対象を制御するような力発揮課題において、タイミングの制御を必要とする場合のみ、2HBT1効果が生じることを明らかにした。研究結果は国際誌に投稿した。 実験Ⅱでは実験Ⅰで用いた課題中に脳波を測定し、タイミング制御を必要とする個人間の力発揮課題における脳活動を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は実験Ⅰを完了し、その論文執筆を行い、実験Ⅰに関する論文を国際誌に投稿することができた。そのため、本研究課題は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後予定は主として、投稿した実験Ⅰの論文の査読プロセスを進行する。もし、論文投稿の結果が棄却であった場合、他の雑誌に投稿し、年度内の採択を目指す。 論文投稿と並行して、実験機材等を購入する等、実験Ⅱの準備を行う。
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