2021 Fiscal Year Research-status Report
超早産児における脂肪酸分画に注目した栄養評価と予後改善の治療戦略の検討
Project/Area Number |
21K17636
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金井 雄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10647647)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超早産児 / 脂肪酸 / 多価不飽和脂肪酸 / 胎児発育 / 妊娠糖尿病母体児 / SGA児 / アディポネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はNICUで集中治療を要する超早産児の栄養方法の質の向上を目指すことを目的とし、特に脂肪酸を網羅的に解析し、胎内で満期まで経過する児と比較することで、超早産児の栄養状態をより詳細に評価する。 これまでに満期で出生した児の臍帯血及び28週未満で出生した超早産児が予定日前後(修正満期)に達した際の静脈血の採取を行った。 2021年度は採取した検体のうち現在満期産児の臍帯血23例、超早産児の修正満期の静脈血5例について全脂質脂肪酸分析を行った。 また、対象とする満期産児の臍帯血の各脂肪酸の割合について、周産期因子や母体の合併症などとの関連について解析を行い、幾つかの知見を得ることができた。特に体重増加とある種の脂肪酸との関連について注目しており、今後このような所見が超早産児の修正満期における解析においても同様の所見が得られるかなどについても検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超早産児の検体については新型コロナウイルス感染症の広がりによって、両親の面会制限が生じ、一部で同意が取得できない症例があったが、検体採取を開始して半年間で概ね予定通りの検体が採取できている。満期産児の臍帯血についてはSGA児の検体が予定通り集まっていないため、2022年度以降は積極的に採取を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は各種脂肪酸の蓄積量、割合などについての解析を進め、超早産児が胎外環境で不足または過剰投与されている脂肪酸を明らかにする。将来的な肥満、生活習慣病になどに関連するようなバイオマーカーなどとの関連についても検討する。
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Causes of Carryover |
検体を採取するためのヘパリンシリンジが世界的なコロナウイルス感染症の流行のため在庫不足となっており、検体採取の体制を整えるために半年程度の時間を要した。このため、検体数が予定を下回り、全脂質脂肪酸分画の検査数が少なくなり、採取時期も年度後半に集中したため、まとめて計測することを予定していたELISAによる測定などが次年度に繰り越された。また、参加予定であった日本周産期・新生児医学会学術集会がオンライン開催となり、旅費が不要となった。超低出生体重児の出生数も5例とやや少ないことも影響した。
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