2023 Fiscal Year Research-status Report
妊娠中の栄養摂取と児の口腔内細菌叢構成との関連性検討
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21K17651
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
久藤 麻子 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10289605)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔内細菌叢 / 妊娠期の栄養 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では妊娠期の栄養摂取状態がその児の口腔内細菌叢形成、及びその児の成長・発育への関連を縦断で検討することを目的としている。母親とその出生した児を3歳まで追跡する前向きのコホート研究を活用し、市で実施する1歳半健診時(1歳8か月時に実施)と、3歳児健診(3歳8か月時に実施)に唾液採取、生活習慣に関する質問紙調査、健診記録の取得を行っている。 今年度は昨年度に引き続き、1歳半健診時および3歳児健診での母・児の調査を実施した。今年度末で累積の唾液採取件数は母、妊娠期599件・産後1か月412件・産後1年半306件・産後3年半339件、児、生後1か月414件・1歳半306件・3歳半346件となった。1歳半健診時対象者は今年度で追跡が終了したため、次年度は3歳児健診対象者の母・児の調査を継続して実施する予定である。 成果として妊娠期、産後1か月、産後1年半の母について細菌叢解析を実施し、学会発表を行った。妊娠中には細菌の種類が少ないこと、妊娠中と産後1か月、妊娠中と産後1年半の母親の唾液細菌叢の構成は変化することを明らかにした。 またCOVID-19パンデミック前(以下コロナ禍前)とCOVID-19パンデミック中(以下コロナ禍中)の妊婦のストレス、睡眠、食行動の違いについて明らかにした。コロナ禍により主観的なストレスを感じている妊婦は増加したが、 Kessler 6項目精神的苦痛尺度での差は認められなかった。コロナ禍中妊婦の睡眠時間は増加した。外食頻度は低下し、食品の摂取については魚の摂取量に差が見られた。 次年度は唾液サンプルのメタゲノム解析数を増やし、妊娠中の母親の栄養摂取状況や食習慣の違いによる母・児の口腔内細菌叢の違いについて解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症蔓延により、コホート参加者を募る産婦人科、小児科、市の健診への出入り制限のため、令和3年度リクルート及び唾液採取調査をその都度休止した。結果として、令和5年度についても唾液採取の追跡および質問紙データの取得が当初の予定より遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠中の母親の栄養摂取状況と生後1か月時の児および1歳半児の口腔内細菌叢との関連の検討、児の口腔内細菌叢と体重増加量との関連の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により、調査対象者のリクルートや唾液採取を中止せざる得なく、調査の進行自体に遅れが生じたため、当初計上した予算を支出できなかった。次年度は当該研究費を用いて細菌叢解析を行い、研究を継続する。
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