2023 Fiscal Year Research-status Report
膵β細胞における転写因子BHLHA15/小胞体膜蛋白CCPG1のUPR制御機構
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21K17662
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岸本 祥平 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80869595)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ER phagy / 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体ストレスは蛋白折りたたみ需要が小胞体の許容量を超える状態で発生し、小胞体膜上に存在するIRE1αの重合が生じると、細胞質側のキナーゼやRNaseドメインが活性化され、UPRが生じ、糖尿病をはじめとする代謝疾患の発症に関与するとされる。膵β細胞では小胞体ストレス依存的に十分な発現を認める転写因子BHLHA15がトランスクリプトーム解析で同定されたが、その機能は現状不明である。BHLHA15はERphagy関連因子の一つであるCCPG1をターゲットとし、小胞体の蛋白質恒常性に必要とされる。今回、膵β細胞でのBHLHA15、CCPG1の働き及び小胞体ストレスとの関連を細胞を用いて検証し、以下の結果を得ることができた。 1 Ins1細胞にて小胞体ストレスはBHLHA15, CCPG1の発現量を増加させる。 2 Ins1細胞にてDox-inducibleに野生型 IRE1α強発現はBHLHA15/CCPG1の発現量を増加させる。 3 Ins1細胞にて小胞体ストレスはCCPG1以外のER phagy蛋白の発現量を増加させる。マウス単離膵島においても同様の結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関で十分な研究施設、研究材料を提供されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
膵β細胞での小胞体ストレスに関連したER phagy蛋白の役割をさらに検証し、マウスなど糖尿病モデル動物で生理的条件下での経時的な膵島のER phagy関連因子の発現量の変化を引き続き検証する。
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Causes of Carryover |
2021年度及び2022年度にin vivoの研究を行う予定であったが、細胞での研究に時間を要したため未使用額が生じた。そのため今年度に行い、未使用額をその経費に充てることにする。
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