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2021 Fiscal Year Research-status Report

小脳性運動失調に対する栄養と運動の効果を検証する研究

Research Project

Project/Area Number 21K17669
Research InstitutionTokai Gakuen University

Principal Investigator

高柳 尚貴  東海学園大学, 健康栄養学部, 講師 (00566713)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords運動失調モデルマウス / Wob/t / D-セリン
Outline of Annual Research Achievements

当該研究は、運動失調モデルマウスを用いて、発症前からD-セリンの投与により発症予防を試みることに加え、発症後では根治はできない運動失調に対し、D-セリン含有食品の摂取に加え、リハビリを併用することで進行の抑制することが目的である。小脳プルキンエ細胞の変性・脱落を呈し、酩酊歩行や振戦を伴う運動失調モデルマウスB6-Wob/t(Wob/t)を維持・管理しており、Wob/tの小脳萎縮は、生後10日齢より小脳プルキンエ細胞の変性・脱落により起こる。近年、生体内にもD-アミノ酸が検出されるようになってきた。特にD-セリンは、NMDARを介した小脳の発達に重要である。また、脳由来神経栄養因子(BDNF)は、神経細胞の生存維持や発生成長などに働く分泌タンパク質であり、SCA患者の小脳において発現が低下していることが報告されている。一方、BDNFは運動や薬剤によって増加することが知られている。本年度は、小脳の発達に必要なD-セリンが小脳BDNF量および運動失調モデルマウスに与える影響について検討した。交配7日前からD-セリンの経口投与を行ったマウスから出生したWob/tを用いてD-セリン摂取群(DS-Wob/t)、コントロール群に分けた。6ヶ月齢まで育養した。行動学的評価としてRota-rod(2-20rpm)試験における落下までの時間測定を行なった結果、コントロール群35.7±4.5秒に対し、DS-Wob/t群は105.3±6.3秒であり落下時間までの有意な時間延長が認められた。その後小脳を摘出し、BDNF量を測定した結果、DS-Wob/t群はコントロール群に比べて高値を示した。D-セリンの経口摂取による協調運動能力の改善および小脳BDNF量の増加が認められた。ことから、D-セリンが小脳BDNFを増強し、小脳病変の進行を遅延させた可能性が示唆させた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

Wob/tマウスの供給を受け、胎生期10.5 、14.5、18.5日、生後1、3、5、8、10、15、20、25、30日群(N=3)を順次育養し、小脳内D-セリン濃度の定量的解析を行う予定でいたが、Wob/tの交配において妊娠の確認はできるものの、胎児の安定した成長がみられない。また、生育産仔数が少なく、育児放棄も見られるため、当初予定していた、各週齢における小脳中D-セリンの定量まで至っていない。

Strategy for Future Research Activity

D-セリンが小脳BDNFを増強し、小脳病変の進行を遅延させた可能性が示唆させたことから、今後、D-セリン摂取による小脳D-セリン濃度の変動を検討する。さらに、Wob/tマウスの順次交配・育養を行い、早急に各週齢における小脳D-セリン量の定量的解析を進める。また、小脳性運動失調モデルマウスであるWob/tの準備が整い次第、環境エンリッチメントでの育養、運動負荷による影響を検討する。

Causes of Carryover

当該年度においてB6-wob/tマウスの順次育養が計画通りに進まなかったことにより、マウストレッドミルシステム TM S-M4-SLなど測定機器の購入およびマウス関連資材、試薬の購入を控えたため、今年度予算を次年度に繰越しした。今後、遅れを取り戻すためマウスの育養計画数を増やし、計画通りに介入研究を実施する。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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