2023 Fiscal Year Research-status Report
ウェアラブルデバイスを用いた下肢血行動態センシングによる座位行動の減少方策の開発
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21K17691
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
遠藤 祐輝 名城大学, 理工学部, 助教 (90894866)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近赤外線分光法 / 筋酸素動態 / 一時的動脈血流遮断法 / 座位行動 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①ウェアラブルNIRSによる座位行動時の下肢血行動態低下を検出する新規評価法を確立すること、②ウェアラブルNIRSにより生活環境下における座位行動時の下肢血行動態を解明すること、③座位行動による下肢血行動態の低下を解消させる具体的な行動様式の開発とそれらの効果を検証することであった。 2022年度に検討した実験条件の見直しを踏まえ、所属機関の倫理審査委員会に申請を行い、承認が得られた後、椅座位、半座位、立位での3時間姿勢保持による下肢筋代謝機能、中心循環機能等への影響について実験を行った。さらに、椅座位条件において30分ごとに1分間の身体活動(立位、立位でのカーフレイズ、または足底背屈運動)を行う条件も実施し、姿勢保持中の身体活動が各評価項目へ及ぼす影響を評価した。 2023年度は計15名のボランティアが研究に参加し、各姿勢条件および身体活動条件での各データを取得した。すべての姿勢条件で3時間姿勢保持により前脛骨筋、腓腹筋内側頭における筋代謝が有意に低下した。さらに、椅座位条件、半座位条件と比較して、立位条件ではその低下が最も小さいことが明らかとなった。また、姿勢保持中に30分に1回身体活動を行うことで、筋代謝の低下を抑制できる可能性が示唆された。本結果の一部は、2024年7月の国際会議でポスター発表することが決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度の研究は順調であったものの、2021年度におけるCOVID-19流行によるヒトを対象とする実験の制限や2022年度における研究条件の再検証による研究の遅れのすべてを取り戻すことができず、当該期間中の研究終了が困難となったため、研究期間を延長するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られたデータの解析を進めるとともに、引き続き実験を行い12名分のデータを取得する。得られた研究結果をまとめ、国際ジャーナルに投稿する。
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Causes of Carryover |
2021年度、2022年度に予定されていた対象者数分のデータ取得を2023年度にすべて取り戻すに至らず、計上していた謝金の一部を使用しなかった。また、2023年度内に予定していた国際会議での発表を次年度に見送ったため、旅費を使用しなかった。 2024年度は得られた知見を国際会議で公表するとともに、論文として研究成果を公表する。
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