2021 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive multi-omics analysis for biological aging markers according to frailty model
Project/Area Number |
21K17699
|
Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
渡邉 大輝 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 特別研究員 (90894501)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | フレイル / プロテオミクス / メタボロミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
フレイルはフィットの対義語として定義されており、暦年齢ではなく生物学的年齢(身体的予備能力)が重要である。これまでの諸外国の先行研究において、フレイルに関連する血中バイオマーカーが報告されているが、フレイルと非フレイル群の間で年齢が大きく異なっており、フレイルではなく単に加齢によるバイオマーカーを評価している可能性がある。従って、本研究は傾向スコアマッチング法を用いて対象者特性に差がないが、フレイルの程度が異なる4群においてオミクス解析を用いて評価した血中バイオマーカーからフレイルと関連を示す因子を探索的に評価することを目的とする。 本研究は年齢および性別などの対象者特性をマッチングさせたフレイルの表現型モデルに基づく予備能力に応じた4群(9名×4群)の計36名を対象にした。現在までに、目標であった血清サンプルを用いたプロテオミクスおよびメタボロミクスの解析を全対象者分で終えた。これらの対象者間では、フレイルの判定に用いた変数以外(年齢、体力・血管指標、血液検査等)は有意な差はみられていない。メタボロミクスでは、ターゲット解析により脂肪酸代謝物92分子、水溶性代謝物100分子同定した。プロテオミクスでは、血清サンプルから抽出した細胞外小胞を用いて合計2059個のタンパク質を定量した。従って、研究計画通り、すべての予定サンプルのオミクス解析を終えることができた。 今後、メタボロミクスおよびプロテオミクスから同定された全てのバイオマーカーとフレイル(年齢に依存しない生物学的老化)との関連を統計学的に検討し、フレイルの早期発見の有用な知見を得ることを目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究はフレイルの表現型モデルに基づく予備能力に応じた4群(9名×4群)の計36名を対象にした。現在までに、目標であった血清サンプルを用いたプロテオミクスおよびメタボロミクスの解析を全対象者分で終えた。これらの対象者間では、フレイルの判定に用いた変数以外(年齢、体力・血管指標、血液検査等)は有意な差はみられていない。メタボロミクスでは、ターゲット解析により脂肪酸代謝物92分子、水溶性代謝物100分子同定した。プロテオミクスでは、血清サンプルから抽出した細胞外小胞を用いて合計2059個のタンパク質を定量した。従って、研究計画通り、すべての予定サンプルのオミクス解析を終えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
メタボロミクスおよびプロテオミクスから同定された全てのバイオマーカーとフレイル(年齢に依存しない生物学的老化)との関連を統計学的に検討する。初めに、生物学的老化と段階的に関連を示すバイオマーカーを探索するために、傾向検定を用いる。また、フレイルと関連を示すバイオマーカーの特徴を検討するため、パスウェイエンリッチメント解析および主成分による判断分析を行う予定である。これにより、探索的にフレイルと関連を示すバイオマーカーおよび経路に関する知見を得る。
|
Causes of Carryover |
本年度は分析まで行えなかったため、分析ソフトとして予算を計上していた解析ソフトの購入ができなかった。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] 高齢者における校正済みたんぱく質摂取量と包括的フレイルとの関連:Kyoto-Kameoka Study2021
Author(s)
南里妃名子 , 渡邉大輝 , 吉田司 , 吉村英一 , 岡辺有紀 , 小野美保 , 小泉友範 , 小林久峰 , 藤田裕之 , 木村みさか , 山田陽介
Organizer
第8回日本サルコペニア・フレイル学会大会
-
[Presentation] 中高齢者における指輪っかテストでスクリーニングされたサルコペニアに関連する要因2021
Author(s)
渡邉大輝 , 吉田司 , 中潟崇 , 澤田奈緒美 , 山田陽介 , 黒谷佳代 , 岡林恵 , 島田秀和 , 瀧本秀美 , 西信雄 , 阿部圭一 , 宮地元彦
Organizer
第80回日本公衆衛生学会総会