2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K17708
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
澄田 範奈 東京工業大学, 情報理工学院, 講師 (10761356)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 公平割当 / オンライン最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,不可分財を複数人で公平に分けるという公平分割問題において,財に対する効用(うれしさ)の情報が厳密には分からない状況にも対応できるアルゴリズム理論を構築することである.公平分割問題は,資源や仕事の配分といった場面で現れる実用上も重要な問題である.実用上は財や効用の情報が厳密には分からないことも多々あるため,本研究では情報が欠如した状況に対応するための理論を整備する. 2021年度は主に,例えばフードバンクにおける食料の配分のように,財が逐次的に与えられる状況での公平分割問題に取り組んだ.このような状況は,組合せ最適化におけるオンライン最適化の枠組みで捉えることができる.オンライン最適化では財の与えられ方のモデルがいくつかあり,本研究では(1)与えられる財が敵対的に選ばれる設定と(2)与えられる財が未知の確率分布に従う設定を扱った.また,公平性の指標はいくつかあり,本研究では人々の中で最小の効用が最大になるようにするという意味での公平性に着目した.この意味でのオンライン公平分割問題に対するアルゴリズムを構築し,どれくらいの公平性を達成できるかを理論的に解析した.ここで,アルゴリズムの結果の良さは,「情報を事前に知っていれば達成できたはずの状況」との比較で行った(競合比解析).本研究はこの意味で理論的に最適なオンラインアルゴリズムを与えた.この成果は論文にまとめてプレプリントとして公開済みである. 他にも,研究課題に関連して,補助金を用いた公平割当問題やオンラインタスク割当の研究も行い,国際会議で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画として取り上げたオンライン公平割当問題に対して,当初の計画通り,基本的な設定での理論解析を行い論文として取りまとめることが出来たため.
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Strategy for Future Research Activity |
今回扱ったオンライン公平割当問題の,他の設定での研究を進める.また,今回はオンラインという意味での情報の欠如を扱ったが,他の不確実性をもつ公平割当問題の研究も進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で国際会議等がオンライン開催となり,旅費の使用がなかったため次年度使用額が生じた.その分は,状況に応じて2022年度での旅費あるいはオンラインでのミーティングや論文執筆作業を円滑にするための費用に充てる予定である.
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[Journal Article] Fair and Truthful Mechanism with Limited Subsidy.2022
Author(s)
Hiromichi Goko, Ayumi Igarashi, Yasushi Kawase, Kazuhisa Makino, Hanna Sumita, Akihisa Tamura, Yu Yokoi, Makoto Yokoo
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Journal Title
Proceedings of the 21st International Conference on Autonomous Agents and Multi-Agent Systems 2022 (AAMAS 2022)
Volume: -
Pages: to appear
Peer Reviewed
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