2022 Fiscal Year Annual Research Report
外れ値に頑丈で適応的な高次元でのマルコフ連鎖モンテカルロ法
Project/Area Number |
21K17713
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
米倉 頌人 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 講師 (60895936)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モンテカルロ法 / ベイズ統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
・指数関数化された形のカーネル密度推定器を用いた新しいカーネル密度推定法を紹介した.この密度推定器は2つのハイパーパラメータを持ち,得られる密度の滑らかさを柔軟に制御することができる.指数化による難解な正規化定数を含む最適化を避けるために、ヒヴァリネン・スコアに基づく目的関数を最小化することによって、データ駆動型の方法でそれらを調整する。提案する推定量の漸近特性を示し,柔軟な密度推定を行うためには2つのハイパーパラメータを含めることが重要であることが分かった.シミュレーション研究と所得データへの応用により基礎となる密度が多峰性である場合や,観測値が外れ値を含む場合に提案する密度推定器が優れていることが分かった.
ロバストダイバージェンスを用いて,単一のチューニングパラメータを指標としたロバストベイズ推定を行う手法を研究した.ロバストダイバージェンスによる事後密度は、調整パラメータが適切かつ慎重に選択された場合、外れ値に対して非常にロバストな推定値を与えることがよく知られている。ベイズの枠組みでは、最適なチューニングパラメータを見つける一つの方法として、エビデンスを用いることが考えられる。しかし、ロバストダイバージェンスは統計モデルとは見なされていないため、密度パワーダイバージェンスによって引き起こされるエビデンスは最適なチューニングパラメータの選択に機能しないことを数値的に説明する。そこで、ロバストダイバージェンスの指数を非正規化統計モデルとして扱い、ハイバリネンスコアの最小化によりチューニングパラメータを推定する。また、逐次モンテカルロ(SMC)サンプラーに基づく適応的な計算方法を提供し、最適な調整パラメータと事後分布からの標本を同時に得ることを可能にする。また、シミュレーションによる提案手法の経験的性能と、実データへの応用も提供する。
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