2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study of all-digital ADC applicable to super-fine process and ultra-low voltage
Project/Area Number |
21K17722
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
稲垣 雄志 青山学院大学, 理工学部, 助教 (20758437)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ADC / VTC / TDC / DAC / 完全デジタル |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年8月までに、完全デジタルADCの回路構成検討を行った。全体構成として、入力信号の電圧を時間信号へ変換するVTC(Voltage-to-Time Converter)と時間信号をデジタル信号へ変換するTDC(Time-to-Digital Converter)で構成することをまず検討した。VTCをデジタル回路のみで構成した例はこれまでに報告が無かったが、デジタル回路素子であるインバータやスリーステートバッファのみで構成したVTCを新たに考案し、回路シミュレーションにより入力電圧に応じてパルス幅(時間)が変化することを確認した。しかし、電圧から時間への変換特性が非線形であるため補正方法を検討したところ、補正後も最大4%の誤差がありADCとして十分な精度が得られないことが判明した。 前述の検討を踏まえ、全体構成の再検討を行った。イメージセンサ等で広く用いられているシングルスロープ型ADCから着想を得て、入力電圧を時間経過とともに上昇する基準電圧と比較することによりデジタル信号を得る構成を検討した。デジタル回路素子のみで電圧比較を行うため、前述のVTCを2つ用意し、それらの出力をPD(Phase Detector)へ接続する。基準電圧の生成回路として、デジタル値に応じたパルス幅の信号を生成するDTC(Digital-to-Time Converter)、スリーステートバッファ、バッファのみで構成した全デジタルDAC(Digital-to-Analog Converter)を新たに検討する。このDACの出力を基準電圧として2つめのVTCへ入力する。この構成により、VTCの非線形な変換特性の影響を受けず、AD変換できることが期待できる。ADCをデジタル回路のみで構成できれば、超微細プロセスと極低電圧にも対応でき、センサノード用ICの低廉化と低消費電力化に貢献できる。
|