2021 Fiscal Year Research-status Report
Adaptive Cooperative Learning for Spatio-Temporal Environmental Variation in Vehicular Communications
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21K17734
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
田谷 昭仁 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10867948)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 協調学習 / 車車間通信 / 環境適応 / 深層学習 / 関数空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の基盤となる分散的協調学習手法のアルゴリズムを開発した。開発したアルゴリズムは、機械学習を行う車両が中央制御局に管理されることなく、自律的に協調しながら学習するものである。車両は近くの車両とのみ通信を行うだけで、間接的に接続されたすべての車両で一体となった学習が可能であるため、大規模化が容易であり、機械学習に必要なデータを増やしやすくなる利点がある。さらに、機械学習における訓練データが学習エージェントごとに偏っていたり、車両同士の接続関係が変化したりしても学習可能な点に特徴がある。提案アルゴリズムでは、機械学習の定式化する際にニューラルネットワークの重みの最適化ではなく、関数そのものの最適化として定式化することで、凸最適化として分散的に学習できるようにした。一方で、このアルゴリズムは概念的なものであり、実際のニューラルネットワークに適用するにあたり、知識蒸留と呼ばれる手法と組み合わせることで、ニューラルネットワークの分散学習において、近似的に提案した概念的アルゴリズムを実行する仕組みを考案した。 この手法は汎用的なものであり、本研究の車両同士の分散学習だけでなく、IoT(Internet of Things)のような小型計算機同士の分散学習にも応用できる。小型端末への応用については、研究成果を国内研究会で発表している。 提案アルゴリズムを数学的に解析するにあたり、実数で表現される重みの変化ではなく、関数そのものの変化に焦点をあてるため、関数同士の距離に着目した。これにより、車両同士の学習途中の機械学習モデル同士の差や1回の更新での関数の変化量を計算できるようになり、提案アルゴリズムの収束性の解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は車両ごとに環境が異なる条件で環境固有の制御モデルを学習する手法を確立する予定であったが、現時点では環境固有のモデル学習には至っていない。一方で、訓練データに偏りがある条件での汎用的な分散協調学習手法を開発しており、環境が異なる車車間通信に応用が可能である。 開発した学習手法では、モデル同士の差異を距離として数学的に解析しており、本研究の目的である時間・空間的変化を定量化に利用できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では車両同士が直接通信を行って分散学習を行うシステムを検討していたが、現時点の車車間通信の研究動向として、車両だけで通信制御するのではなく、路上基地局を介した通信や無線リソース制御が主流になりつつあるため、本研究においても路上基地局を利用する学習するシステムへの方針変更が妥当であると考える。 それに応じて、環境や時間的に応じた特徴を路上基地局が学習するシステムを改めて考案する必要があり、初年度で提案した分散アルゴリズムを路上基地局間の分散協調としたアルゴリズムに拡張する。
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Causes of Carryover |
コネクテッドカー関連の研究動向の変化により、当初予定していた路上基地局を使わないシステムから、路上基地局を利用するものに変更することとした。それに伴い計画していた実験構成の変更も必要となったため、初年度では実験用端末を購入せず、次年度にシステム構成が決まり次第、それに応じた実験用端末を購入する。
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