2023 Fiscal Year Annual Research Report
教師なしで学ぶ汎用型3次元形状特徴量の開発と,少数派3次元形状の解析への応用
Project/Area Number |
21K17763
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
古屋 貴彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00770835)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 3次元形状 / 3次元点群 / 教師なし学習 / 自己教師あり学習 / 深層学習 / 形状特徴量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3D形状データの種類を問わず使える汎用型形状特徴量を教師なし深層学習で獲得する技術の確立を目的とした.本目的の達成に向け,研究期間全体を通じて以下の3つの研究を実施した. 【研究1】多様な表現の3D形状データに適用可能な,教師なし深層学習アルゴリズムDeepDiffusion(DD)を提案した.DDは,潜在特徴量の空間上における拡散距離に基づいて類似検索に適した特徴表現を獲得する.3D点群形状を用いた実験では,DDにより学習された特徴表現が,既存の教師なし学習手法よりも高い検索精度を達成することを示した. 【研究2】3D点群の形状補完のための新しいデコーダDNN構造であるHMF-Netを提案した.HMF-Netは超平面パッチを入力表現として用い,パッチ間の大域的な関係性を学習することで,詳細な局所的な3D形状を再構成する.形状補完などの3つのタスクによる評価実験を通じて,HMF-Netが形状再構成の精度向上に効果があることを確認した. 【研究3】ラベルを持たない3D点群データセットから回転不変な形状特徴量を獲得するための新しいDNN構造およびその教師なし学習手法を提案した.提案したDNNは,入力3D点群を複数の大域的なトークンに分解し,自己注意機構を用いてトークン間の関係性を考慮しつつ特徴精製することで,表現力の高い回転不変な特徴を抽出する.提案手法を複数のベンチマークデータセットで評価した結果,既存の教師なし学習手法と比べて高い形状類似検索精度と回転不変性を持つことを示した. 以上の研究成果により,様々な種類の3D形状データに使える汎用型形状特徴量を教師なし深層学習で獲得する技術をある程度確立した.提案した技術を活用することで,これまで手作り特徴量に頼っていた少数派3D形状の解析の精度改善が期待できる.
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