2022 Fiscal Year Research-status Report
圧縮型ロバスト動的モード分解に基づく動画像成分分離とその応用
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21K17767
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
松岡 諒 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (40780391)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動的モード分解 / スパースコーディング / 動画像復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景の動きや不要な映り込みに頑健な動画像成分分離技術の開発を目的とし、圧縮センシングやスパースモデリング技術を動的モード分解(DMD)法に高度に融合した超高効率な前景背景分離アルゴリズムの確立とその応用の検討を行った。 令和4年度は、緩やかな動きのある背景や複数の動的成分を有するシーンの前景背景分離問題を動的モード分解をベースに定式化し、暗所での撮影などで問題となるセンサノイズによる劣化を復元するために、動的モードの分解を介した前景背景分離においてノイズも同時に分離するアルゴリズムの構築を行った。具体的には、全変動正則化やBM3Dなどの既存のノイズ除去デノイザを用いた最適化問題を提案した。提案手法により、ノイズにより劣化した動画像からノイズを含まない動的モード成分を高精度に推定することができ、それらを用いてノイズのない背景成分と前景成分を再構成することができる。また、推定したDMDモードで再構成される動画像データが複素数を含まないようにするための制約を新たに加えて、より安定した動画像復元を実現する手法を提案した。人工的にノイズを付加した動画像や実際に高感度撮影により取得したノイジーな動画像に提案手法を適用し、関連する既存手法と比較することで、提案手法の有効性を示した。 さらに、ハイパースペクトル画像の異常検知やJPEGアーティファクトの除去、雨天のシーンで問題となる雨の軌跡の映り込みや、ガラス越しの撮影で問題となるガラス面の映り込みの除去などへの応用に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、解析フェーズ(令和4年度)「多様なシーンでの性能評価と限界の検証」に関しておおむね計画通りに進捗している。また、関連する成果に関しては、信号処理に関する国際会議European Signal Processing Conference (EUSIPCO)やコンシューマーエレクトロニクスに関する国際会議IEEE Global Conference on Consumer Electronics (GCCE)、信号処理に関する国内シンポジウムなどでの成果発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に定式化したPlug-and-Playに基づくDMDアルゴリズムを様々な画像処理問題へ応用し、その復元精度を定性的/定量的に比較・評価することで、本手法の有効性を解析する。また、関連する既存手法との比較実験、及び高速化のための効率的な再構成アルゴリズムの検討を行い、提案技術の改良についても取り組む。また、得られた成果をまとめて信号処理・画像処理に関する難関国際学術論文誌であるIEEE Transactionsへの論文投稿の準備を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由については、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、現地参加予定であった国際会議や国内の学会、研究会などが完全オンライン開催やハイブリッド開催に変更になり、現地参加ができなくなったため、当初予定していた配分額よりも旅費や学会参加費が大幅に余ったためである。使用計画については、今年度(令和5年度)の学会参加費や現在執筆中・投稿中の論文の英文校正費用やその掲載費用に充てる予定である。論文執筆については、当初の計画を大幅に超える成果が出ているため、論文投稿やその掲載費用が当初計画よりも必要となっている現状を踏まえるとこれらに繰越費用を充てることは、本研究費の使用用途として妥当であると考える。
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Research Products
(7 results)