2021 Fiscal Year Research-status Report
ロバスト統計を考慮した深層距離学習と強化学習の統合に基づく異常音検知手法の開発
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21K17771
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉森 聡 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (20733512)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 異常音検知 / 深層距離学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度はまず深層距離学習を考慮した異常音検知アルゴリズムの研究開発に取り組んだ。深層距離学習を異常音検知に適用するうえで、先行研究において提案されているニューラルネットワークのアーキテクチャおよび損失関数の性能調査が必要であった。そこで異常音検知の代表的なモデルとして、再構成誤差を計算する変分オートエンコーダに基づくモデルおよび、クラス識別誤差を計算するMobileNetV2に基づくモデルを選定した。本研究では前者について損失関数としてCenter Loss、後者についてAdaCosやCosFaceなどコンピュータビジョン分野で実績のある損失関数を導入した。また特徴抽出には事前学習済ネットワークであるPANNsを活用し、モデル訓練の効率化を図った。特にCenter Lossの導入については、事前学習済みモデルによって抽出された正常データ群の分散を距離学習により抑えることで、異常音検知の精度向上が期待できる。DCASE2021データセット上での性能評価実験の結果より、変分オートエンコーダとCenter Lossを組み合わせたモデルは良好な検知性能が得られることを確認した。一方でMobileNetV2に基づくモデルについては、性能改善は小幅に留まった。 研究成果の発表の場として、異常音検知の国際コンペティションであるDCASE2021 Challenge task2に参加し、変分オートエンコーダに基づく提案モデルは27チーム中10位の成績を収めた。さらに電子情報通信学会信号処理研究会にも成果を発表し、信号処理研究会賞を受賞するに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
深層距離学習に関しては概ね順調な基礎研究が遂行できたといえる。しかしながら、ロバスト統計を考慮した学習アルゴリズムを十分に開発できなかったのが理由である。現在、ロバスト性を考慮に入れた、ランダム射影に基づく外れ値検知モデルを軸にして検討を進めており、いくつかのベンチマークセットでは良好な検知性能を確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、今年度も異常音検知の国際コンペティションであるDCASE2022 Challenge task2に参加する予定である。続いてランダム射影に基づく外れ値検知モデルに対してニューラルネットワークを統合し、異常音検知性能を検証する予定である。ロバスト統計を考慮した深層学習モデルに関しては、当初の計画通りガンマダイバージェンスを軸にして学習アルゴリズムの検討を進めていく。さらに今年度は異常音検知モデルに強化学習アルゴリズムを導入し、既存の異常音検知モデルとの性能比較実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、県外への出張を控えた結果、国内外への旅費の支出がなくなったのが大きな要因である。また計算サーバーや大容量ストレージについて、当該年度の購入は見送ったが、これは現在保有している計算資源で実験が遂行できたためである。今後、大規模な計算機実験を計画しているため、その環境整備に重点的に使用する予定である。研究成果発表および情報収集のための海外出張の実施は依然として難しいため、国内出張の実施を予定している。
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Research Products
(2 results)