2022 Fiscal Year Research-status Report
ロバスト統計を考慮した深層距離学習と強化学習の統合に基づく異常音検知手法の開発
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21K17771
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉森 聡 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (20733512)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 異常音検知 / 深層距離学習 / ロバスト多変量解析 / ロバスト統計 / Projection depth |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はロバスト統計に基づく外れ値検知アルゴリズムの研究開発に取り組んだ。ロバスト多変量解析の分野で登場するdepthと呼ばれる順序統計量に注目し,とくにprojection depthを中心に検討を進めた.projection depthを外れ値検知に用いる場合,サンプルデータ群がクラスタを構成するような場合に検知性能が顕著に低下することを実験的に確認している.そこでサンプルデータセットに対してクラスタリングを事前に施し,各データが所属するクラスタの濃度に基づいて外れ値スコアを重み付けする方法を提案した.研究成果は電子情報通信学会論文誌に採録が決定している.
前年度から引き続き,深層距離学習を考慮した異常音検知アルゴリズムの研究開発に取り組んだ。2021年度の研究調査により、異常音に付与された属性(機械種別など)の分類器に基づいて構築する異常音検知モデルの有効性が示されており、本年度はこのモデルを元にして研究を進めた。実験を通じて,AdaCosに基づく距離学習が有効であることを確認した.研究成果の発表の場として、異常音検知の国際コンペティションであるDCASE2022 Challenge task2に参加した.
一方,異常音検知精度の向上に有効な特徴量も同時に検討した.多くの異常音検知手法のモデルの入力に用いられる音声特徴量はメルスペクトログラムであるが,音声に含まれる位相変動は失われてしまう.位相変動を考慮するために,複素スペクトログラムを入力可能なすべての特徴量抽出演算において,複素数値の構造を保つ複素数値モジュールと,メルスペクトログラムを入力とする実数値モジュールを組み合わせた複素数値ハイブリッドニューラルネットワークの有効性を検討した.本研究成果は電子情報通信学会応用音響研究会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロバスト統計を考慮した外れ値検知アルゴリズムについて、研究成果を論文として対外発表することができた点は自己評価できる.しかしながら,研究計画にある教師なし学習と教師あり学習の統合する形でアルゴリズムを構築することには至っておらず,またガンマダイバージェンスを軸とした異常検知の学習アルゴリズムは達成できていない.この点で進捗は遅れているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,本年度で開発した教師なし外れ値検知モデルをカーネル法と統合し,自己教師あり学習の枠組みで統合することを検討している.カーネル法との統合に関しては,いくつかのベンチマークセットでは良好な検知性能を確認できている.また研究計画にある外れ値検知モデルの幾何学的な定式化を見据えて,高次元統計学および情報幾何学との関連を調査する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴って県外出張を控えていたが,2022年度末には研究成果発表および情報収集のため国内出張の実施により,旅費の支出が生じた.論文誌への掲載料も小幅に留まった.また計算サーバーや大容量ストレージについての購入は見送ったが,今後、大規模な計算機実験を計画しているため、その環境整備に重点的に使用する予定である.さらに2023年度は研究成果をまとめたものを国際会議に投稿予定であり,採択されたあかつきには旅費を多く使用する予定である.
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Research Products
(3 results)