2021 Fiscal Year Research-status Report
ドライバの安全性と快適性向上を目指した自動運転車両における車内環境制御
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21K17785
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
郭 鐘聲 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (20826078)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドライバ状態 / 車室内快適性 / 自動運転 / 運転支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,自動運転時におけるドライバの快適性を損なわず,交通環境の状況により適切に覚醒度をコントロールする車内環境要素の制御システムの構築を目的としており,2021年度には以下のことを行った. まず,車内環境要素の中で,車内照明,空調,シート形状の三つの要素に注目し,それらのパラメータをコントロールできる室内環境と,その環境下で運転タスクを再現できるシミュレータ環境を構築した.また,その環境下において温湿度,気流速度,照度,色温度,シートパラメータの計測ともにドライバの脳波,心拍,呼吸,皮膚温などの生体情報の計測および視線行動,座圧分布,運転行動を同時に計測できるシステムを構築した.そして上記システムを用いて計測したデータセットから,環境要素の変化に対する中枢神経や自律神経反応を表す指標と視線行動の特徴を表す指標,運転パフォーマンス指標を時系列で算出できるプログラムを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたドライバの快適性・覚醒度の評価手法に関して,ドライバの生理指標と行動関連の指標を計測できるシステム構築ができた.予備的なデータ取得と分析を行い,生理指標と行動指標の多変量分析によりドライバの覚醒度と快適性が定量的に評価できる可能性がえられた.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には,車内環境パラメータと覚醒度・快適性の関連性の明確化を目標とし,構築したシステムを活用して人を対象にした実験を行い,以下に示すことを明らかにしていく予定である. ・車室内の環境要素がドライバ状態に与える影響と環境要素間の交互作用 車室内温度,照度,色温度,シートのリクライニング角度などの環境要素を変化させた際におけるドライバの生理指標と行動指標を連続的に計測し,ドライバの覚醒度・快適性について評価を行う. ・ドライバの覚醒度と快適性の低下を抑制するための環境要素の要件 上記の実験にて得られたデータに基づき,ドライバの快適性と覚醒度が高く維持できる環境要素の組み合わせについてまとめ,その制御要件を明らかにする.
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Causes of Carryover |
コロナ過における対応として,国際学会の参加を見送ったことと,生体計測を伴う人を対象とした実験を積極的に行えなかった. 2022年度には人を対象とした実験を多くの人数で行う予定である.また,国際学会の参加費と旅費,論文投稿料として使用する予定である.
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