2021 Fiscal Year Research-status Report
Skill Acquisition Support in Microscopic Suturing Practice
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21K17788
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮藤 詩緒 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (90883497)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 顕微鏡縫合 / 練習効率化 / 医療VR / 医療器具検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳神経外科医が行う顕微鏡縫合を対象とし、上級者の技術要素を練習者へ視覚的に伝達することで、顕微鏡縫合練習の効率化を図る。今年度は顕微鏡縫合練習において、上級者が注目している技術的要素を明らかにし、それらの要素を顕微鏡映像上から検出する手法を提案した。具体的には、①早さ・②正確さ・③丁寧さの3点の技術的要素を顕微鏡映像から検出するため、①深層学習を用いた器具検出モデルを用いて、連続縫合動画から1回の縫合開始から終了までを自動時間計測、②検出した器具の動作範囲から正確さを測定、③顕微鏡縫合練習に用いるガーゼの動きをオプティカルフローで検出し、縫合箇所以外への接触や乱れた動きがないかを検出することで、各技術的要素の検出を行なった。予備実験では、脳神経外科専門医や研修医先生方に顕微鏡縫合中の動画を撮影していただき、動画から目的の要素が正しく検出できるか,また、顕微鏡縫合の技術レベルによって各要素の計測値に差が出るか検証した。実験結果から、提案手法により各要素が検出可能であることを確認し、初級者と上級者の顕微鏡縫合動画において、全要素で差が生じることが確認された。提案した検出手法および実験で得られたレベルによる測定値の差は、今まで指導者の主観的な評価で行っていた指導を客観的に評価するための助けになると考えられる。 現在は、顕微鏡縫合練習中に技術的要素や注意点を視覚的に伝えるためのXR顕微鏡縫合練習装置を作成中である。具体的には、 顕微鏡の接眼部分に左右1台ずつカメラを設置し、VRヘッドセット上で再生することで、顕微鏡縫合映像にリアルタイムで情報を重畳させるシステムを開発した。今後は、技術的要素を基にした練習の点数化や練習時動画のライブラリ化を行うことで、縫合練習の動機付けや効率化を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎となる技術的要素の策定やシステム開発は順調に進んでいる。ただし、COVID-19の影響により、脳神経外科医の先生方に実機を試していただくことが難しいため、自己評価による開発評価が多くなっている。現在は、研究室内学生などの専門知識のない学生を被験者としているが、状況を見ながら脳神経外科医の先生方による評価を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、技術的要素を用いた客観的評価を軸とした練習を行うことで、効率的に技術レベルを上げることが可能か実験で明らかにする。これと並行して、XR顕微鏡縫合練習装置で顕微鏡縫合練習のゲーミフィケーションを行い、練習への動機付けを行う。 また、現在のシステムを応用して、スマートフォンの高精細カメラを用いた簡易練習システムを開発することで、より効率的に顕微鏡縫合技術を取得するための練習手法を探求していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19により被験者実験の謝金や学会発表の経費が減ったため.
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Research Products
(2 results)