2023 Fiscal Year Research-status Report
衝撃発電素子を用いた無電源ウェアラブル行動認識技術の確立
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21K17790
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大西 鮎美 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10869142)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スマートシューズ / 無電源 / 行動認識 / 路面推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,振動発電モジュールが搭載された靴を用いて,着地時の衝撃で発電して得られた発電情報に基づき路面種別を推定し,推定結果を収集するシステムでバッテリなしでの路面種別推定精度を評価した. 本研究では,靴型デバイスの発電により発電情報を送信できる電力が蓄えられると逐次的に情報を送信する手法と約5 歩分の発電情報を連続で計測できるようになるまで電力を蓄えた後,情報を送信する手法の2 つの路面推定のアルゴリズムを提案した.これら2 つの手法を用いて提案システムの路面種別推定精度を評価した結果,前者の手法では,自分自身のデータを学習データに用いて機械学習モデルを構築した場合には高齢者などにとって障害となる路面のうちの4 種類の路面に平地を加えた5 種類の路面を約65%の精度で推定できた.また,後者の手法では,自分自身のデータを学習データに用いて機械学習モデルを構築した場合には高齢者などにとって障害となる路面のうちの6 種類の路面に平地を加えた7 種類の路面を約64%の精度で推定できた. さらに,実験結果をふまえて,提案システムがどれだけ早くかつ正確にバリアフリーマップを作成できるかを調査するため,マップ作成のシミュレーションを実装した.評価実験の5 人の被験者がそれぞれ1 日に1回,マップ内のある経路を歩行し,歩行する経路は1 日ごとに異なるというシナリオでシミュレーションを行った結果,120 日目には推定結果のマッピング率が約95%になることがわかった.また,路面種別の推定精度は約66%となり,ある程度正確に推定できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
路面推定の無電源環境での評価実験は順調に進められ,さらに複数人数分のデータを組合せた際の路面推定精度をシミュレーションで評価できたため,概ね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
路面推定の実験はある程度当初の目標を達成したため,次年度は,論文化を進める.さらに,トレッドミルで行う発電情報から足裏の圧力推定をする評価実験を進める.
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Causes of Carryover |
路面推定の研究では,無電源での路面推定の精度評価のみでなく複数人の認識結果のデータを集約して実際のバリアフリーマップ作製の精度評価も行った.このような追加実験により論文誌出版が遅れたため,次年度に論文化を行うために繰り越した.
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