2021 Fiscal Year Research-status Report
六点入力方式を利用したモバイル端末向け新型入力装置の開発
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21K17792
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
谷 賢太朗 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 助教 (40758322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 視覚障がい者 / 点字 / 六点入力方式 / 入力デバイス / スマートフォン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年では視覚障がい者の情報機器の保有率はスマートフォンで50%以上、PCでは90%以上となっており、視覚障がい者は情報機器を活用している。しかし視覚障がい者がスマートフォンなどのモバイル端末を操作するには課題も存在する。視覚障害者のICT機器利用状況調査2017ではスマートフォンを使用しない理由として63.4%が「タッチ操作ができない/難しそう」を挙げており、入力操作の課題があると考えられる。今後、情報処理端末の主流がスマートフォンなどのモバイル端末へ移っていく可能性があり、視覚障がい者の社会進出においてスマートフォンなどのタッチ操作を主として行うモバイル機器の操作は重要な課題といえる。そこで本研究では視覚障がい者が利用することの多い点字をベースにした、六点入力方式を利用した視覚障がい者でも入力しやすいユニバーサルデザインの新しい入力機器の開発を行っている。 2021年度では機器の設計をハードウェア、ソフトウェアの両面から行っている。ハードウェアの設計では3DCADと3Dプリンタを使用して物理的なボタンを使用したインターフェースの試作を行っている。タッチ操作は視覚障がい者にとってレスポンスが不足しているため使いにくいと考えられる。そのためレスポンスのある物理ボタンを使用する形で設計を行っている。また開発する入力機器は六点入力を行うため6つのボタンに対して常に指が触れている形で設計している。しかしボタンの配置によってはボタン同時押下が行いにくいことが分かった為、指や手の形状に合わせたボタンの押しやすい設計を進めている。現時点ではハードウェアの設計を先行して行っているためソフトウェアの設計はまだ大きな進捗はないが、点字入力、6点入力の先行研究を調査し、より適切な設計方針を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では2021年度では機器の設計をハードウェア、ソフトウェアの両面から行うことを予定していた。実際の進捗においてもハードウェア、ソフトウェアの設計を進めている。ハードウェアの設計を先行しているが、当初計画の範囲内での調整であり、全体の進捗としてはおおむね順調に計画は進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度では当初計画の通り、開発する機器のプロトタイプの完成を目指す。また機器の開発と並行して妥当性、有効性の検証実験を行う。妥当性、有効性の検証は晴眼者、視覚障がい者を被験者にした実験によって行う。実験と、実験から得られた知見を基にした機器の改良を繰り返すことで機器の完成度を高める予定である。 2022年度5月現在は新型コロナウイルス感染症の影響から自由に実験が行える状況とはいい難い。そのためまずは代表者が勤務する新潟医療福祉大学の学生を中心に実験を行い、検証を行う。実験に際しては新潟医療福祉大学の倫理審査を申請し、その承認を得ることとする。 実験ではまず開発した入力機器が実用的な範囲で使用可能かについて検証する。この実験において実用可能ではない結果となった場合は実験結果を検証してその原因を明らかにする。その後設計段階に立ち戻り、その原因を改善し再度入力機器の開発を行う。実験で使用可能である結果を得られた場合は既存の入力機器との比較検証を行う。開発する入力機器は既存のキーボードなどの入力機器と比較して入力がしやすいかなどを検証することで開発する入力機器の妥当性、有効性を明らかにする。 また実験と並行して開発する機器の教育ソフトウェアの開発も検討する。開発する機器は通常の入力機器とは操作方法が異なるため十全に使用するには訓練が必要と考えている。そのため入力機器の操作を学べる教育用ソフトウェアについても開発を進める。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響で国内、国外共に自由に往来ができず学外発表等での旅費が発生しなかった。そのため学会の旅費のために計上していた分について次年度使用額が生じることとなった。 2022年度においては学会発表を積極的に行う他、開発する機器の完成のため物品購入や実験での謝礼などの経費に回すことで、より完成度の高い研究を目指す。
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