2022 Fiscal Year Research-status Report
赤外光筋活動センサを用いた機能的電気刺激フィードバック制御システムの構築
Project/Area Number |
21K17795
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 将孝 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 講師 (80805804)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 機能的電気刺激 / 赤外線筋活動センサ / エコー / 筋肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は赤外光筋活動センサ(Infrared Muscle Activity Sensor, IMAS)による機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation, FES)フィードバック制御システムを実現するための前段階として,エコー動画像から得られる体組織の変化とIMAS の関係性の調査および,FES の電圧・周波数の違いによる発揮力に関する調査する. まず,IMASおよび超音波エコーを腕に当てながら,指をグー・チョキ・パーの順番に動かし,IMASから得られる値と筋輝度の相関を見ることにより,IMASが筋肉の動きを観測出来ているかを確認する.IMASから得られた赤外線反射量および平均筋輝度は一部で相関性が見られ,計測領域によって異なる変化が見られた.手の動きは複数の筋肉の伸縮によって行われていることから体内組織の変化と赤外線の反射量との関係みられたため,IMASは筋肉の動きを推定することが出来ると示唆される. 次にFESの刺激電圧および周波数の影響見るため,刺激位置が与えやすい薬指に関して調査する.被験者は腕を固定した状態で,薬指を伸ばした状態および90度に曲げた状態で脱力し,それぞれの状態で指の腹を力センサに当て,垂直方向の発揮力を測定する.その結果,どの周波数においても,刺激電圧を上げると発揮力が大きくなっているが,一方で,他の周波数では,特定の周波数の時だけ低い電圧でも筋収縮が誘発された.また,90度に曲げた状態では意図的に押した時と比べて50%以下の力しか計測されず,周波数の違いによる差は見られなかった.浅指屈筋を刺激したため,90度に曲げた状態では深指屈筋への収縮は行われておらず,刺激無い状態と比べて50%の出力しか得られなかったと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FESの刺激周波数および電圧に関して,使用者への負荷が少ない制御しやすい応答性のよいFESを調査を進めたが,刺激箇所や姿勢によって異なる動作が見られたため,単純なモデルでは予測が困難であることがわかった.制御する筋肉を再検討し,刺激しやすい拮抗筋の場所を調査する.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、IMASによるFESフィードバック制御システムを実現することを目的として、ニューラルネットワークを用いた指先のリアルタイム推定モデルの構築に取り組んだ。しかし、筋収縮によるヒステリシスの影響が大きかったため、ニューラルネットワークによる分類・回帰モデルの精度を向上させることができなかった。そこで、時系列データに強いリカレントニューラルネットワークを用いることにより、筋収縮による影響を考慮した推定モデルを構築する。また、測定部位によって得られる特徴量が異なることから、測定領域を広くすることで、拮抗筋にあたる部位の特定を行い、より正確な推定モデルを目指す。更に、指の伸筋に関する刺激位置やFESのパラメータを決定し、FESフィードバック制御システムを構築する。このシステムをリハビリテーションへの応用に向けて検討することが課題となる。
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