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2023 Fiscal Year Annual Research Report

牽引力錯覚の機序解明のための生体情報工学研究

Research Project

Project/Area Number 21K17796
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

田辺 健  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60847557)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords牽引力錯覚 / ハプティクス / ヒューマンインタフェース
Outline of Annual Research Achievements

従来の牽引力錯覚の機序の仮説として,指先に提示した非対称振動刺激によって生じる皮膚の変形を牽引力として検出している可能性が議論されてきた.そこで,加齢によって皮膚感覚の感度が低下した高齢者では,牽引力錯覚が生起しづらいという仮説を立て,本錯覚の加齢の影響を検証した(N=40).その結果,高齢男性では,錯覚が若年群と同程度に生起したが高齢女性のみ錯覚が起きづらかった.また,錯覚と指先の感度との間には相関関係はなく,加齢によって振動の閾値が上昇しても,錯覚が十分に生起する高齢者もいれば,錯覚が起きづらかった高齢女性の閾値は,若年群と同程度だった.牽引力錯覚中は空間認識を担う頭頂連合野が賦活することや空間認識能力には性差があるという先行研究に基づき,本研究で確認された錯覚の性差は空間認識能力の性差に関連する可能性が示唆された.また,牽引力錯覚と指先の感度との相関がないことから,従来の牽引力錯覚の機序の仮説とは異なり,指先で直接的に牽引力を検出するのではなく,高次の処理で錯覚が生起する可能性が示唆された.
次に,牽引力錯覚が弾道的な運動に与える影響を明らかにした(N=20).具体的には,手首を屈曲伸展している際に,動きの方向に牽引するように錯覚を誘発した場合,手首の運動の速度が錯覚なしのときに比べて有意に速度が上昇した.一方で,錯覚ありのときに運動に対する主体感が低下することが確認された(錯覚によって手首を動かされるように感じる).また,手首の運動の主働筋の活動を調べた結果,手首の速度と主働筋の筋電位の大きさに正の相関が認められ,動き自体を速めたのは,実験参加者自身であることが示された.つまり,動きの方向に牽引力錯覚を誘発することで,動かされているように感じているが動き自体は自分で速めるというような矛盾した現象が生起することが確認された.

  • Research Products

    (2 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Illusory Directional Sensation Induced by Asymmetric Vibrations Influences Sense of Agency and Velocity in Wrist Motions2024

    • Author(s)
      Tanabe Takeshi、Kaneko Hidekazu
    • Journal Title

      IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering

      Volume: 32 Pages: 1749~1756

    • DOI

      10.1109/TNSRE.2024.3393434

  • [Presentation] 加齢の影響に基づく牽引力錯覚の機序の一考察2024

    • Author(s)
      田辺健, 山本哲, 山田亨, 石井大典, 河野豊
    • Organizer
      日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会第32回研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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