2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of index construction and compression algorithms in fully-online setting
Project/Area Number |
21K17817
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Research Institution | Fujitsu Limited (Fujitsu Research) |
Principal Investigator |
高木 拓也 富士通株式会社(富士通研究所), その他部局等, 研究員 (20855449)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 文字列情報学 / 羅生門集合 / 圧縮索引 / 説明可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,様々な文字列情報学における問題に対し「どのようにすれば完全オンラインへの拡張が可能か?」を明らかにすることを目標としている.特に,(i)文脈性 (ii)完全オンライン性 (iii) 低メモリ性をもつ索引,すなわち「完全オンライン圧縮文字列索引」の構築を目指している .これを実現するためには,圧縮索引の通常オンライン構築アルゴリズムの開発と,その完全オンライン化の二つのステップが必要である. 2023年度は昨年度開発した決定木モデルに対する『羅生門集合』構築アルゴリズムの実装とその応用に注力した.羅生門集合とは最適決定木とほとんど同じ精度を持つ決定木の集合である.これには本研究の圧縮索引構造のアイデアを用いることで成功した.羅生門集合に関してはメディア取材や招待講演を行うことができた.また,この決定木に着目し,予測モデルの補正を決定木で行うことで説明可能性を担保する技術を開発し国際会議で発表した.これにより予測モデルの更新箇所を説明可能なモデルが得られた.また決定木で分類された属性ごとに,予測モデルの予測値を所望の値に変更する摂動を計算する技術の開発に成功し発表した.また昨年度に引き続き,東北大学のDiptarama Hendrian助教授・九州大学の稲永俊介教授らの協力のもと,線形サイズ接尾辞木(Linear-size Suffix Tree)に対して,文字列の末尾が伸長する場合と先頭が伸長する場合のオンライン構築アルゴリズムの具体的な手法を与えることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は線形サイズ接尾辞木に対するオンライン構築アルゴリズムを与えた一方で,計画にあったCDWAGに関する問題解決が想定よりも進まなかった. しかし昨年度に引き続き機械学習分野における応用成果が得られ,国際会議における発表を実現できた.特に昨年度の主な成果である羅生門集合構築で扱った決定木に着目し,あらたな応用技術の成果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
まず羅生門集合の構築手法をほかの機械学習モデルに発展させることを考えたい.今年度は構造方程式を表現する因果グラフに着目した羅生門構築アルゴリズムを開発したが,対外発表まで至らなかった.まずこの技術を完成させ,国際会議等で発表したい.また,今年度解決できなかった圧縮索引化が可能なCDAWGと呼ばれる索引構造の完全オンライン構築アルゴリズムを開発したい.具体的には,CDAWGは接尾辞木を同値類的観点からコンパクトに表現したものであるため,接尾辞木の完全オンライン構築アルゴリズムを実現する際に用いたDAWGとの並列構築手法をCDAWGにも適用することを考えたい.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は主に二つである.まず新型コロナウイルスの影響による出張計画がなくなった.当初の計画では研究に関連する会議のために複数回の出張を想定していたが,パンデミックのためにオンライン会議等で代替されることとなった.その結果出張に関連する費用が大幅に削減された.次に研究計画の進行に関わる問題である.当初は今年度から実装実験を行う予定であり,そのために必要な計算機を購入する計画であった.しかし,実装段階に至る前に研究の進捗が遅れたため計算機購入に充てる予算が次年度に繰り越されることとなった. 次年度の使用計画としては,まず今年度購入できなかった計算機を速やかに購入し,実装実験を開始する.購入した計算機を用いて実験環境を整備し,予定していた実装実験を進めることで,研究の進展を図る.これにより結果として研究全体の目標達成に寄与することを目指す.
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Research Products
(2 results)