マウス・キーボードの確率的操作モデルに基づくWeb講義受講生のストレス推定法開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K17820
• Research Institution: Utsunomiya University
• Principal Investigator: 山仲 芳和 宇都宮大学, 工学部, 助教 (00804238)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: ストレス推定 / PC操作測定システム / 磁気式センサ / リモートワーク・Web授業

Outline of Annual Research Achievements

昨今のコロナ禍を契機とし，オンライン授業やリモートワークが急速に増加している．デジタル化・リモートワークが強力に推進される社会情勢を鑑みれば，このような流れは，一過性のものではなく，afterコロナの時代でもますます重要になると考えられている．
一方で，Web講義に伴う提出課題の急増，友人に会えない孤独感，教員とのコミュニケーション不足により，学生のストレスが急増している．過度なストレスは学生の学びを阻害することが知られており，ストレスレベルに合わせた個人ケアが求められる．このためには，まず学生のストレスを正確に把握する必要がある．しかし，既存のストレス検査法は，例えば50問のアンケートへ回答することが必要であったり，特殊な心電・脳波計測が必要など，精神的もしくは設備的に大きな負担を伴う．
そこで本研究課題では，ユーザのPC操作からユーザのストレスを推定する新手法の開発を目的とした．ストレス推定を実現するモデルを構築するには，まず複数のユーザによるPC操作データを収集する必要がある．本年度は，PC操作時のユーザ挙動を測定するためのシステム構築およびシステムの動作確認のための基礎実験を行った．具体的には，PC画面上のカーソル軌跡と，カーソルを操作するユーザの前腕の姿勢・関節位置を同時に測定するシステムを構築した．関節位置の測定に磁気式3次元センサを導入することで，高フレームレートかつミリオーダでユーザ挙動を測定することが確かめられた．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

測定システムとして，当初は光学式カメラによるユーザ姿勢の測定を試みたが，解像度とフレームレートの両面で不足することがわかった．そのため，磁気式センサを新たに導入することで高精度なPC操作の測定システムを構築できた．しかしながら，世界的な半導体不足から当初計画に比べて機器調達に時間がかかったため，推定モデル構築に必要なデータ測定には至らなかった．よって，やや遅れている．

Strategy for Future Research Activity

今後は，構築した測定システムを用いて，推定モデルの構築に必要な被験者データを収集する．このデータ収集では，被験者に適切なストレスを印加できるストレステストや，ユーザへの操作ターゲットの教示，測定条件を適切に定めるための試行錯誤が課題となる．

Causes of Carryover

機器の調達に時間がかかり，本年度はシステム構築と基礎実験を主に行った．本格的なデータ測定に必要な消耗品等の使用が少なかったため，次年度に合算して使用する．