2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K17832
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大谷 拓也 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (70777987)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボティクス / ヒューマノイド / 操縦 / 安定性 / 身体所有感 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に,操縦者の身体各部運動量に基づいた人型ロボット運動生成手法を開発し,動力学シミュレータを用いて有効性を確認した.操縦者の運動計測には全身型のモーションキャプチャシステムを用い,事前に計測した操縦者の身長や体重から身体各部の長さ・重量・慣性モーメントを概算し,各部運動量を算出する.この各部運動量に,操縦者と操縦対象ロボットの重心高さ比率および全重量比率を係数として乗算し,人型ロボットの目標各部運動量を算出する.目標各部運動量を実現するための各関節の目標角速度を,ロボット各部の長さや重量などの設計仕様として分かる情報を用いて算出することにより,ロボットの身体パラメータが操縦者と異なっていても目標各部運動量を達成することが可能となった.提案手法を用いて,人型ロボットの安定性が向上可能かを人型ロボットの運動シミュレーションにて評価した.人型ロボットのシミュレータは申請者のこれまでの研究にて開発しており,実験条件として,提案する運動生成手法を用いて操縦者の運動をロボットに向けて変換した場合と,操縦者の運動をそのまま実行した場合について,立位時やパンチング動作などを行なった際にロボットモデルの運動継続時間が長くなることを確認した.現在,論文化を進めている. さらに,ロボットと操作者のリンク長のずれをフィードフォワードに補正するためのパラメータ最適化手法を提案した.具体的には,事前に用意した数種の目標運動を操縦者に行ってもらい目標手先座標に対するずれを最小化するよう最適化問題を解くことにより補正パラメータを得る.最適化した補正パラメータセットをリアルタイム制御時に反映させることにより,操作者が視覚フィードバックを用いずとも自然な運動により想定している操縦を可能とし,操作中の精神的負担や操作習熟の必要のないロボット操作が可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画として,人間型ロボットと操縦者の身体パラメータの違いを補正するため,操縦者の身体各部の長さや重量・慣性モーメントなどを考慮した身体各部の運動の勢いを表す運動量を指標とした安定制御を開発し,動力学シミュレータを用いて有効性を確認することを目標としていた. 提案した運動生成手法では,操縦者の運動計測には全身型のモーションキャプチャシステムを用い,事前に計測した操縦者の身長や体重から身体各部の長さ・重量・慣性モーメントを概算し,各部運動量を算出する.目標各部運動量を実現するための各関節の目標角速度を,ロボット各部の長さや重量などの設計仕様として分かる情報を用いて算出することにより,ロボットの身体パラメータが操縦者と異なっていても目標各部運動量を達成することが可能となった.提案手法を用いて,人型ロボットの安定性が向上可能かを人型ロボットの運動シミュレーションにて評価した.提案手法を用いることにより,立位時やパンチング動作などを行なった際にロボットモデルの運動継続時間が長くなることを確認した.現在,論文化を進めている. 計画以上の進捗として,ロボットと操作者のリンク長のずれをフィードフォワードに補正するためのパラメータ最適化手法を提案した.具体的には,事前に用意した数種の目標運動を操縦者に行ってもらい目標手先座標に対するずれを最小化するよう最適化問題を解くことにより補正パラメータを得る.最適化した補正パラメータセットをリアルタイム制御時に反映させることにより,操作者が視覚フィードバックを用いずとも自然な運動により想定している操縦を可能とし,操作中の精神的負担や操作習熟の必要のないロボット操作が可能となる.オープンアクセスの論文誌に成果が掲載された.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度が計画通りに進められたため計画通り,分散地面反力再現装置と共に安定制御手法をサイズ・重量の異なる2種類の人間型ロボットに適用し,遠隔操縦時の安定性を評価する.検証実験では,シミュレーションと同様に操縦時の安定性を評価する.この際,全長約48cm,150cmの2種類の人間型ロボットを用いることで,操縦者と異なるサイズや重量の人間型ロボットに対する提案手法の有効性を明らかにする. また,得られた成果について分野に影響力の高い学会での発表や論文誌(オープンアクセスで対外的評価の高いもの優先)への投稿を進める.
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Causes of Carryover |
ロボットを用いた実験の準備を進めるにあたり,ロボット部品がコロナ禍・情勢不安による納期遅れにより初年度中に納品されなかったため,次年度に発注する.
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