2021 Fiscal Year Research-status Report
全盲児の能動的なタブレット活用を支援する触運動学習システムの開発
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21K17845
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
西村 崇宏 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研修事業部, 研究員 (70733591)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人間工学 / 視覚障害 / ユーザビリティ / 触運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障害者の情報アクセスやQOL向上のためのツールとして,タブレットなどのタッチパネルを搭載した情報端末が普及しつつある.しかし,タッチパネルは視覚依存性が高いため,触運動の学習や空間認識能力が十分に育まれていない全盲児がこれからICT活用をはじめようとする際に,指をまっすぐに動かせなかったり,力が入り過ぎたりするなどの理由で意図した操作ができないという問題が挙げられている.そこで本研究では,全盲児のタブレット操作に対する適切な触運動の獲得を支援する基礎研究の位置づけとして,視覚を活用できない場合の指先の触運動特性に関する知見を収集することを目的としている. 2021年度は,全盲児の触運動知覚およびICT活用のための触運動のレディネス学習に関する先行研究の整理を行った.また,特別支援学校(視覚障害)の教諭や当該領域の研究者等との打合せを通じて,触運動特性の評価実験に関する実験計画を検討することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は,関連する文献や先行研究の整理および2022年度以降に予定している評価実験について特別支援学校(視覚障害)教諭等との協議を通じた検討を行った.当初計画に沿って研究が進んでいることから,おおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度に立案した実験計画を基に予備実験を含めたデータの取得を予定している.また,触運動学習システムの開発に向けて試作等の準備を進めていく.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により人を対象とした予備実験に制約があったため,当初計画よりも参加者への謝金や旅費に係る支出が少なかったことから次年度使用金が発生した.次年度使用額の使用計画については,予備実験を含めた参加者への謝金や,成果発表のための学会参加旅費等を中心に支出する予定である.
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