2023 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫脳を模倣するシリコン神経ネットワークチップ基盤技術の開発
Project/Area Number |
21K17849
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名波 拓哉 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90830787)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シリコン神経ネットワーク / 神経模倣システム / ショウジョウバエ / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度目と二年度目では、シリコン神経ネットワークチップにおいてもっとも重要な構成要素であるニューロンユニットについて、Piecewise Quadratic Neuron (PQN)と呼ばれる新しい手法の提案を主に行った。PQNモデルを用いたニューロン回路は比較的少ない消費回路リソースで多種多様な神経細胞を忠実に再現することができる。また、PQNニューロンを用いてショウジョウバエの嗅覚神経系を再現する神経ネットワークモデルの構築を行ってきた。 最終年度は、構築した神経ネットワークモデルのapplication specific integrated circuit(ASIC)実装を行う予定であったが、ネットワークモデルをより実際の脳神経系を忠実に再現するように作りこむことに注力した。嗅覚神経系の主要な機能である匂い連合学習だけではなく、触角葉にみられるodor-inducedなニューロンの同時発火現象を再現した。ASICに比べ比較的容易に実装を行えるField Programmable Gate Array(FPGA)を用いて、構築した神経ネットワークモデルの回路実装を行った。これらの成果をまとめ、査読付き英語論文雑誌に投稿を行った。また、原稿をプレプリント・サーバーの一つであるbioRxivで公開した。
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