2022 Fiscal Year Research-status Report
放射線誘発DNA二本鎖切断に応答する53BP1の超高解像度3次元動態解析
Project/Area Number |
21K17888
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
内原 脩貴 群馬大学, 未来先端研究機構, 研究員 (10883712)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DNA修復 / 53BP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線照射によって生じる生体傷害の中で、DNA二本鎖切断(DSB:DNA double strand break)は細胞運命決定に影響を与えうる重篤な損傷の一つである。申請者の研究グループは超高解像度蛍光顕微鏡3D-SIM(OMX)を有し、これまで多くのDSB修復分子の超高解像イメージング解析を行ってきた。申請者らが超高解像度解析を行う中で、DSB近傍に集積する修復分子である53BP1は、ヌクレオソームが100-200 nmの大きさで凝集するクロマチンドメインに密集していることを発見している(この構造体を53BP1ナノドメインと呼ぶ)。53BP1ナノドメインは単一のDSBに対して複数個存在するが、これらナノドメインがDSB修復に果たす役割は未だ明らかにされていない。そこで本研究では、53BP1ナノドメインを超高解像イメージにより3次元動態的に解析することで、その生理的意義を解明することを目的とする。 申請者は前年度に構築した53BP1ナノドメイン間の距離を測定するための実験系を用いて、放射線照射後の時間依存的な53BP1ナノドメインの3次元動態変化を検討した。X線1 Gy照射0.5時間後では53BP1 fociは観察されるが、24時間後ではDSBが修復されるため、ほとんど観察されない。そのため、53BP1ナノドメインが観察可能な10 Gy照射24時間後の条件と1 Gy照射0.5時間後の条件を比較した。1 Gy照射0.5時間後と比較して、10 Gy照射24時間後では53BP1 fociのサイズが大きく、ナノドメインの数は多かった。一方で、両条件で53BP1ナノドメイン間距離の指標であるDPS-midの値に有意な変化は認められなかった。そのため、DSB後の時間に関わらず、53BP1ナノドメイン間の距離は維持されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、前年度に構築した53BP1ナノドメイン間距離の測定系を用いて、放射線誘発DSB生成後のナノドメイン間距離の変化を解析できた。一方で、細胞周期ごとの変化を観察することはできなかっため、次年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞周期ごとに53BP1ナノドメインの3次元動態変化を検討する。加えて、DSB修復に重要な分子であるATMキナーゼやRIF1が53BP1ナノドメイン間の距離に及ぼす影響を検討する。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] DNA損傷応答シグナル伝達を介したHLAクラスIの抗原提示2023
Author(s)
内原 脩貴, Permata Tiara Bunga Mayang, 佐藤 浩央, 川端 麗香, 堅田 明子, Gu Wenchao, Kakoti Sangeeta, 山内 基弘, 加藤 玲於奈, Gondhowiardjo Soehartati, 保仙 直毅, 安原 崇哲, 柴田 淳史
Organizer
第143回 日本薬学会年会
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[Presentation] DNA damage promotes HLA class I presentation by stimulating a pioneer round of translation-associated antigen production2023
Author(s)
Yuki Uchihara, Tiara Bunga Mayang Permata, Hiro Sato, Reika Kawabata-Iwakawa, Sayako Katada, Wenchao Gu, Sangeeta Kakoti, Motohiro Yamauchi, Reona Kato, Soehartati Gondhowiardjo, Naoki Hosen, Takaaki Yasuhara, Atsushi Shibata
Organizer
The International Ataxia-Telangiectasia Workshop 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] DNA損傷シグナルによるHLAクラスIの抗原提示の分子メカニズム2022
Author(s)
内原 脩貴, Permata Tiara Bunga Mayang, 佐藤 浩央, 川端 麗香, 堅田 明子, Gu Wenchao, Kakoti Sangeeta, 山内 基弘, 加藤 玲於奈, Gondhowiardjo Soehartati, 保仙 直毅, 安原 崇哲, 柴田 淳史
Organizer
2022年度 日本生化学会関東支部例会
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[Presentation] 放射線照射により促進されるパイオニアラウンド翻訳を介したHLAクラスIの提示2022
Author(s)
内原 脩貴, Permata Tiara Bunga Mayang, 佐藤 浩央, 川端 麗香, 堅田 明子, Gu Wenchao, Kakoti Sangeeta, 山内 基弘, 加藤 玲於奈, Gondhowiardjo Soehartati, 保仙 直毅, 安原 崇哲, 柴田 淳史
Organizer
日本放射線影響学会第65回大会
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