2021 Fiscal Year Research-status Report
自動車軽量化に伴う新構造材料の動的循環解析及びリビルト導入効果の検証
Project/Area Number |
21K17918
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 政陽 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (40875465)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | リユース効果評価モデルの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自動車軽量化に貢献する高張力鋼などの軽量化素材の循環フローの同定および循環構造の経時的変化を明示するとともに、自動車部品リユース・リマニュファクチャリングの導入による素材損失回避効果を解析することで、高度な資源循環利用の評価に新たな物差しを提供することを目指す。本年度は、以下に示す3つの研究成果を得た。(1)リサイクル・リユース・リマニュファクチャリング活動による物質フローの動的解析モデルの構築:既存の製品寿命や各プロセスにおける歩留まりを考慮した動的な物質フロー解析モデルをさらに拡張することで、リユース・リマニュファクチャリングを現在のリサイクルシステムに組み込む場合、鉄鋼材とその合金元素の循環にどのような変化が起こるかを測定できるモデルを構築した。(2)自動車エンジンに使われる高張力鋼を含む特殊鋼とその随伴合金元素(ニッケル・クロム)の動的循環解析:現状の素材リサイクルを柱とした資源循環システムでは、初年度のエンジン生産に投入された特殊鋼、ニッケル、クロムは50年後にそれぞれ25%、18%、37%失われ、リサイクルされたこれら素材の60%以上が土木建築物に再利用されることを解明した。(3)リユース・リマニュファクチャリングの導入効果の定量評価:エンジンの場合、全量リサイクルからその一部をリユースまたはリマニュファクチャリングに置き換えることで、50年後にエンジン生産に投入された特殊鋼、ニッケル、クロムのロスがそれぞれ3%、2%、5%回避できることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リユース活動の動的解析モデルの構築および自動車エンジンの事例解析の実施において一定の成果が得られた。成果(1)、(2)、(3)を取りまとめた論文をResource, Conservation & Recycling誌(IF=10.204)に採択し、掲載されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は自動車に使われるアルミニウム合金・マグネシウム合金を中心に物質フローを動的に解析するためのデータベースを構築し、拡張した数理モデルに接続して分析を実施することを目指す。これまでに採用している廃棄物産業連関表におけるアルミニウム合金とマグネシウム合金関連部門の細分化を行い、これら素材の自動車部門への流れを整理する。加えて、アップデータした廃棄物産業連関表を基に多素材の動的循環解析を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナ過で予定していた国際学会発表やリユース活動に関する現地調査ができなかったため。残金は論文出版に使う予定である。
|
Research Products
(1 results)