2022 Fiscal Year Research-status Report
Application of input-output tables for environmental and socio-economic analysis of network traffic
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21K17920
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
稗貫 峻一 一般財団法人電力中央研究所, 社会経済研究所, 主任研究員 (20791544)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワークトラフィック / 産業連関表 / GHG排出量 / エネルギー消費量 / 生産活動 / サプライチェーン / 消費ベース / カーボンニュートラル |
Outline of Annual Research Achievements |
総務省が作成した「移動通信トラヒックの現状」と「我が国のインターネットにおけるトラフィックの集計結果」によると、2021年から2022年の1年間で移動通信の月間平均トラフィックは1.3倍、固定通信の1契約当たりのダウンロードトラフィックは1.2倍となっており、生活や社会の生産活動に伴う情報通信技術の利用はさらに拡大している。 こうした背景のもと、2022年度は下記に示す3点について研究を実施した。第一に、2021年度の課題であった通信の種類について、2011年から2020年までの移動通信、固定通信の2種類のネットワークトラフィックの詳細を推計することで、詳細な分析ができるように改善した。第二に、総務省・情報通信国際戦略局が作成している情報通信産業連関表を活用することで、2011年から2020年までの10年間の設備機器やインフラへの投資によるネットワークトラフィックの増加量と環境影響を推計した。これにより、情報通信技術やインフラの運用と、それらへの投資によるGHG排出量とエネルギー消費量を分析することが可能となった。第三に、本研究の基準となる2015年の産業連関表における、家計消費支出、家計外消費支出、政府支出、固定資本形成などの最終需要に起因した移動通信と固定通信のネットワークトラフィック誘発量を推計した。これにより、直接のみならず間接的な誘発量を含めたサプライチェーン全体のネットワークトラフィックを推計することが可能となった。なお、この結果は、2023年8月の第32回日本エネルギー学会大会で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Covid-19の影響により国内外の学会での報告が当初の計画よりも遅れているが、そのほかはおおむね計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
情報通信分野の技術進捗は著しいため、引き続き関連する分野の専門家と議論しながら研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により、当初計画していた旅費、人件費・謝金、その他について残額が生じた。この残額については、2022年度以降により良い研究成果に結びつくように効果的な使用方法を検討する。また、国際会議の開催の時期や研究の進捗の状況により、研究期間を延長することも検討する。
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