2021 Fiscal Year Research-status Report
Collaborative governance approach for promoting wetland conservation and wise economic use
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21K17925
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
新井 雄喜 信州大学, 先鋭領域融合研究群社会基盤研究所, 助教(特定雇用) (90866873)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 湿地 / 賢明な利用 / 生物多様性保全 / ステークホルダー / 協働 / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、湿地の保全と経済的活用における優良事例と非優良事例の比較分析を通じて、湿地の保全と経済的活用の両立を促す協働の促進要因を明らかにすることを目的としている。そのため、全国のラムサール条約登録湿地(計53か所)の中から、湿地の生態系保全、経済的活用などを評価するための指標を検討の上、それらに関する情報の収集を行った。その際、環境省がラムサール条約事務局に提出している「ラムサール条約国別報告書」や"Information Sheet on Ramsar Wetlands (RIS)"などの関連報告書をウェブ上から入手し、そこから得た情報やデータ等を用いて、優良事例・非優良事例の選定に役立てた。 当初の予定では、既存の情報をもとに優良事例・非優良事例の候補地を選出した後に、それらの候補地を実際に訪問し、現地において関係者へのインタビューを含む事前調査を実施し、その結果に基づいて質問票を作成する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、現地での事前調査が困難となった。そのため、これまでは現地調査は行わず、研究協力機関である、日本国際湿地保全連合(Wetlands International Japan)、ラムサールセンターの関係者、そして一部のラムサール条約登録湿地の関係者より、本研究の対象候補地である登録湿地の保全・管理の現状や課題などについて、オンライン会議を通じて補足的な情報収集を行った。 加えて、当該分野における最新の先行研究のレビューを進め、学術的分析枠組みの構築を行い、これまでに行った情報収集結果を踏まえつつ、同分析枠組みに沿った質問票の作成を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していたラムサール条約登録湿地での事前調査などが実施できず、質問票作成に必要な基礎データの収集や関係者への事前インタビュー等に遅延が生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大の状況を踏まえ、可能であれば現地調査を行い、その結果を踏まえて、本研究が主に対象とするラムサール条約登録湿地(優良事例及び非優良事例)を確定すると共に、質問票の作成を行う。もし現地調査が引き続き困難である場合には、オンライン会議等を通じて事前インタビュー等を行うことで、必要な情報を得ることとする。 同時に、最新の先行研究を踏まえた学術的分析枠組みを確定し、同分析枠組みに沿った質問票を完成させる。質問票の最終化にあたっては、研究協力機関である日本国際湿地保全連合、ラムサールセンターの関係者、及びその他の共同研究者らと意見交換を行い、コメントを反映させる。質問票が完成次第、全国のラムサール条約登録湿地を担当する自治体の担当者などに質問票を送付し、回答を依頼する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していたラムサール条約登録湿地での事前現地調査の実施が困難となり、旅費の支出ができなかった。今後、最新の感染拡大状況を踏まえ、現地調査の実施が可能となれば、随時調査を開始する予定である。
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