2022 Fiscal Year Research-status Report
Renewable Energy Planning Considering Spatiality
Project/Area Number |
21K17927
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | GIS / 再生可能エネルギー / 太陽光発電 / 社会的受容性 / 環境経済学 / 生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー事業実施において地域住民の受容性は、実施可能性に影響を与える重要な要因であり、これまでに再生可能エネルギーの社会的受容性に関して数多くの研究がなされてきた。これらの研究の多くは、各再生可能エネルギーに対する住民選好を試算し、環境問題への関心、年収、年齢、教育水準といった要因が住民選好に影響を与えている事を示してきた。本研究はこれらの分析枠組を、GISデータを用いた機械学習のアプローチにより拡張し、日本における各再生可能エネルギーの社会的受容性の構成要因について、周辺の人工・自然環境や各種既存発電設備からの距離等の空間情報も考慮に入れて明らかにするものである。本年度においては、特定された各再生可能エネルギーの社会的受容性の構成要因に基づき、周辺の人工・自然環境や各種既存発電設備からの距離等の空間情報も考慮し構築されたモデルの精度をGISデータを拡充することにより向上させた。社会的受容性の分析結果としては、特にメガソーラーについて日本においてもNIMBY問題が生じていることが示唆された。また、アンケートデータとGISデータを基に各種生態系に関する人々の選好を分析し、論文として纏め国際ジャーナルにおいてレビュー中である。今後は、生態系に関する選好の分析を活用して、各種再生可能エネルギーによる土地利用の変化の影響を定量化し、社会的受容性と生態系を含む環境影響の日本におけるマップ化を行う。これによって地域の福利向上を目指すような政策形成・事業実施に繋がることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である再生可能エネルギーの社会的受容性の推計に向け、土台となるモデルの構築は完了しており、本年度は当該モデルの精度をGISデータを拡充することにより向上させることができ、加えて社会的受容性と生態系影響をグリッドレベルで見える化するための分析が順調に進んだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、再生可能エネルギーの社会的受容性について、機械学習のモデルの精度を更に向上させ、日本における各再生可能エネルギーの社会的受容性と環境影響のグリッドレベルでの見える化を進める。
|