2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of Papua independence movement in post democratization in Indonesia
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21K17934
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
阿部 和美 秋田大学, 国際資源学研究科, 助教 (00822230)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インドネシア / 分離独立運動 / パプア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、特別自治を獲得したパプア地域に生じた社会変容の分析と、パプア分離独立運動に関与する担い手の整理を通して、パプア分離独立運動が継続するメカニズムを明らかにするものである。パプア地域の社会変容と、インドネシア国外を拠点とするディアスポラを中心としたパプア分離独立運動の国際社会への影響という、①パプア地域、②国際社会、2つの異なる視点からの分析により、パプア分離独立運動の実態を包括的に捉えて、パプア紛争の構図を捉え直すことを目的とする。①パプア地域社会の変容が分離独立運動に与える影響、②ディアスポラを中心としたパプア分離独立運動が国際社会に与える影響、以上2点を明らかにする。 初年次である2021年度は、ミンダナオとの比較研究により、東南アジアの分離独立運動という視点からパプア分離独立運動を考察するとともに、ディアスポラを中心とするインドネシア国内外での分離独立運動の分析を進める予定であった。新型コロナウィルスの影響により、ミンダナオでの現地調査の実施が難しくなったため、日本国内のみで研究可能である文献調査を進めた。具体的には、インドネシア国外を拠点とするディアスポラによる分離独立運動が、国際社会のパプア紛争に対する姿勢にどのような影響を及ぼしているのか、パプア紛争分析を専門とするNGOのレポート、分離独立運動を取り上げるメディア資料を通して分析を進めた。 研究成果は、2021年度にアジア政経学会での発表を通して論文としてまとめる予定であり、2022年度には比較政治学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、予定していたミンダナオでの海外現地調査を実施できなかったため、当初の研究計画よりも研究の進捗が遅れている。2021年度はすべての海外現地調査を実施できなかったため、文献調査を中心とした計画を再度立て直し、研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初2022年度はパプアニューギニアでの海外現地調査を予定していたが、2021年度に予定していたミンダナオでの海外現地調査と同様に実施が難しいと予想される。そのため、文献調査を主とした研究を進めると同時に、新型コロナウイルスによる入国規制が厳しくない地域への海外現地調査を実施し、可能な限り当初予定していた研究を進められるよう努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、予定していた海外現地調査および他県への出張をを実施できなかったため、初年度の助成金の一部を次年度に繰り越し、次年度使用額が生じた。 現在のところ、他県への出張は可能であり、かつ海外も一部地域での調査は実施可能である状況である。次年度は渡航可能な地域での海外現地調査を実施予定であり、次年度使用額はその旅費に充当する予定である。
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