2023 Fiscal Year Research-status Report
Social integration of new urbanites in China
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21K17953
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滕 媛媛 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (40793716)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 失地農民 / 都市開発 / 都市化 / 中国 / 社会経済的状況 / 第二世代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、90年代以降に中国で盛んに行われた都市開発により土地を失い都市に再定住させられた失地農民およびその第二世代の社会経済的状況と、それに影響を与える要因を明らかにすることである。事例都市である南昌市新市区で実施した調査では、回答者の失地農民の約半数が肉体労働や自営業などに従事しており、従来の都市住民との間には、依然として大きな社会経済的格差が存在していることがわかった。その理由の一つは、中国では長年にわたり都市と農村が制度的に分断されており、失地農民の多くが人的資本(学歴や技能)に乏しいことである。これに加えて、失地農民の社会経済的状況の変化は、彼らの社会的ネットワークや再定住形態にも関係している。事例都市の失地農民は、集団的に再定住団地に移住させられ、そこで旧来の濃厚な近隣関係を維持していた。しかし、失地農民同士のつながりと世帯収入との間には正の関係が認められたものの、失地農民個人の所得や就労状況との関係は確認されなかった。すなわち、失地農民同士のつながりが彼らの社会経済的状況の向上に及ぼす効果は、限定的であると考えられる。一方、失地農民と団地外の住民との関係は、個人所得と就労状況との間に正の関係が確認された。失地農民の経済的状況を向上させるため、多様な社会的ネットワークを広げることの重要性が指摘できる。失地農民の第二世代に関して、彼らの教育水準は親の世代に比べてと大きく向上し、南昌市の平均水準よりも高くなっている。ただし、新しく都市の中心となった新市区の住民における平均水準には遠く及ばない。また、失地農民の第二世代の就業率は向上したものの、就業の質や所得水準の向上は比較的小さかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目は、現地調査の準備、質問紙調査と聞き取り調査の実施、収集したデータの入力とクリーニングを行うことができた。研究2年目は、1年目に実施した質問紙調査のデータを中心に、設定した研究課題を分析し、その結果について学会報告と論文執筆を行った。3年目は、出産のため、追加の現地調査に行けず、既存のデータや文献を用いて研究を進めているが、予定よりやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き実施した質問紙調査のデータを用いて、失地農民世帯の長期的な社会経済的状況の変化の規定要因の解明を進める。また、現地調査を実施し、失地農民世帯と従来の都市住民世帯間における社会経済的格差の状況とその影響要因を明確にする。さらに、分析結果を整理し、学会報告や論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、出産のため、研究を一時的に中断しており、次年度使用額が発生している。次年度使用額は、延長された研究期間で行われる追加の現地調査や学会報告の旅費と論文投稿料に使用する予定である。
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