2023 Fiscal Year Research-status Report
地域社会で多面的役割を発揮する樹木信仰の場のマネジメント手法に関する国際比較研究
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21K17962
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
上田 萌子 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (10549736)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 路傍樹 / 大阪市 / 台湾 / 大樹公 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、日本・台湾・インドネシアを対象に、アジアの共通文化である樹木信仰の場の存続要因を、管理運営の仕組み、空間整備状況、公的支援の状況といった点から調査し比較することで、持続的な地域社会に資する樹木信仰の場の今後のマネジメント手法を明らかにすることを目的としている。 2023年度は、2021年度に実施した「大阪市における路傍樹の存続状況からみた保全の課題」についての調査研究の成果を日本造園学会誌ランドスケープ研究に論文として公表した。路傍樹とは、区画整理により、寺社や民家の敷地から道路上にはみ出して位置するようになった樹木のことで、残されてきた理由には、地域住民の信仰対象になってきた背景がある。論文では、20年前の先行研究で明らかにされた大阪市内の23ヶ所の路傍樹の残存状況、利用・管理状況、生育状況に加え、単独の樹木を保全する公的制度である「保存樹」制度の路傍樹への適用の可否についてまとめた。 また、台湾およびインドネシアで現地の研究者と協力して樹木信仰の場に関するフィールド調査を実施した。台湾の台中市では、信仰対象の樹木である大樹公を保全するための公園整備が地域住民と市の協同によりなされた事例の経緯を調査した。インドネシアでは、ジョグジャカルタとバリ島で信仰対象となっている樹木について、土地所有者(個人・地域コミュニティ・行政)、日常管理の実施者(個人・地域コミュニティ・行政)、敷地内の日常利用(参拝、休憩、遊び、観光など)、祭事の内容などを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度はコロナ禍における移動制限が解除され、台湾およびインドネシアにおけるフィールド調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に実施した台湾での調査の成果を公表するとともに、インドネシアにおける現地での補足調査を実施し、その成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は海外渡航の制限が解除され、台湾およびインドネシアでフィールド調査を実施することができたが、調査回数がまだ不十分なため残額が発生した。次年度も海外での補足調査を実施する予定であるため、旅費や謝金が発生する見込みである。
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