2022 Fiscal Year Research-status Report
Cashless Economy in Russia: Trends and Development Prospects
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21K17964
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
Gorshkov Victor 新潟県立大学, 国際経済学部, 准教授 (10742322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロシア / キャッシュレス化 / デジタル・ルーブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はロシアのキャッシュレス・エコノミーの地域的な差異を比較するために、現地調査を予定していたが、ウクライナとロシアを巡る国際情勢からそれが実現できなかった。したがって、当初の代替案通り、以下の作業を進めた。 第一に、公表されている統計・研究資料をもとに調査を進め、キャッシュレス化比率に関する分析を行った。国際比較の観点から、ロシアのキャッシュレス化比率は依然として極めて高いレベルにあり、国際決済プロバイダーによるロシア市場撤退にも関わらず、2022年に全国平均で78%まで増加した。民間調査会社Avito Rabotyの報告書によれば、4人に3人のロシア人は現金よりキャッシュレス決済を好み、国家主導の国内クレジットカードや即時決済システムの更なる普及率に対する国民の抵抗感がなく、むしろ、キャッシュレス決済手段に強い関心を示している。SberIndexデータによれば、ロシアの85連邦主体のうち47連邦主体ではキャッシュレス決済比率が60%以上を占めており、ロシア全土においてキャッシュレス決済が着実に進展していると結論できる。トップ連邦主体はネネツ自治管区(75.2%)、サハ共和国(70.9%)、カレリア共和国(70.4%)であった。加えて、2023年4月より一部のロシアの銀行はデジタル・ルーブルでの取引を開始することを計画しており、金融部門の更なるデジタル化が見込まれる。 第ニに、主に2021年度中に行った研究活動をまとめ、査読付きの海外ジャーナルに投稿し公表した。 第三に、ロシアのキャッシュレス化の特徴を正確に捉えるために、他の新興国と先進国との比較が必要不可欠であり、そのため、先進国の中でキャッシュレス化が極めて遅れている日本および国家主導のキャッシュレス化が本格的に始まったフィリピンに関する情報を集め、その一部を分析し、国内外のコンファレンスと研究会で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も現地調査を行うことができなかったため、ロシア人の生活において、どのようなキャッシュレス決済手段が流通しているのか、スーパーマーケットや公共機関などでのその活用状況を依然として把握できていない。しかし、当初から検討した代替案を中心に研究活動を順調に進めることができたので、当初の設定した研究目標や課題および進行状況に大きな支障は出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本科研の最終年に当たるため、以下の作業を計画している。 まず、第一に、2022年度のロシアのキャッシュレス化の地域的な差異に関する中間研究成果を論文等で公表することに努める。 第二に、デジタル・ルーブルの導入の動きに注目する必要があると考えているため、その関連研究資料及び統計資料を収集する。 第三に、現地調査が可能になった場合には、当初の調査期間を短縮して実施する方向で検討する。現地調査が実施できなかった場合は、その研究予算を国内外コンファレンスでの本科研の研究成果の公表および論文校正費用に利用する。 第四に、本科研のもとで行った研究成果の総括を行い、今後の研究の展望を検討する。
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Causes of Carryover |
本年度はロシア現地調査を実施することができなかったため、当初の代替案通り、研究作業を進めた。 海外コンファレンスの参加費用は当初の計画より少なかったため、次年度使用額が生じた。 本残高を2023年度の現地調査費用若しくは研究成果公表(論文校正費)に利用する予定。
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