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2021 Fiscal Year Research-status Report

スリランカ紅茶産業におけるこどもの教育格差―多様な経営形態の視点から―

Research Project

Project/Area Number 21K17966
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

福田 祐子  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (10870412)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords教育格差 / ケイパビリティ / 人間開発
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、紅茶産業の経営形態(半公営農園、民家農園、個人農家)がもつ社会構造という新たな視点に着目し、こどもたちの教育達成の格差が生まれる背景にある要因との因果関係を①親が 帰属する経営形態の社会的構造、②個人の選好(世帯状況と親の意識)から定量分析と質的調査によって、体系的に考察・分析することを目的としている。
本年度はコロナ禍の影響とスリランカ国内の事情により、「こどもの活動調査」2016年度版データ入手と現地調査が困難であったため、データ分析については「こどもの活動調査」2008-09年版を用い、スリランカ全体における居住地域(都市、農村、農園)と農園が主にある対象地域の居住地域の傾向比較を行った。居住地域間においては同じ傾向を示しており、経済格差や教育格差があることが確認された。本研究では紅茶産業の経営形態(半公営農園、民家農園、個人農家)に着目していることから、上記データの居住地域の農村を個人農家とそれ以外にわけ、4居住地域(都市、地方、農園、農家)として、こどもの教育格差とこどもたちを取り巻く環境(世帯環境、住環境、生活環境、こどもの活動)との関係について二項ロジスティック回帰を行った。
紅茶産業の経営形態がもつ社会構造については、当初の計画では茶葉産地発展の歴史的背景が異なる低地と高地農園と農家が混在する地域で調査を行う予定だったが、渡航が叶わなかったために、2013年から2015年に行った現地調査のインタビューをもとに、人々の生活圏、収入源、社会保障、住居・生活環境、教育環境、その他について比較検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究では「こどもの活動調査(2008-9年度版と16年度版)」データを用いた定量分析(二項ロジスティック)と複数の紅茶産地における特定 の調査対象者を複数年間に渡って聞き取るパネル(フィールド)調査により、構造的な課題と家族が抱える問題について体系的に分析することを予定している。
当初、1年目はデータ取得、社会構造調査、デモグラフィック調査を予定していた。具体的には、①「こどもの活動調査」2016年版データを取得し、同調査2008/09年版と全体と各居住地域の傾向と変化について比較すること。②農園・農村における調査内容の許可取得、および農園経営者へのインタビューを実施し、帰属する経営形態の社会構造を考察すること。③調査地域の情報収集(主な産業、集落の特徴など)、デモグラフィック調査(役場・学校の訪問)、GIS測定により居住地域や社会基盤の特徴をつかむことであった。
しかしながら、2021年度前半はコロナ禍の影響により、日本の水際対策の関係から海外渡航に制限があったこと、またスリランカ国内における外出禁止令が発出されたため、行政機関も機能しない状況にあり、びデータ取得および現地調査が困難であった。また、2021年度後半は、スリランカ国内において経済・政情が不安定となり、デモが頻繁に行われたため、渡航及びデータ取得については来年度に延期することとした。
そのため、2021年度は以前より用いていた「こどもの活動調査」2008-09年版のデータと2013年から2015年に行った現地調査のインタビューを用いて研究をおこなった。

Strategy for Future Research Activity

本年度は参考文献調査とともに、昨年度できなかったデータ取得、社会構造調査、デモグラフィック調査を予定しているが、今後のスリランカ情勢をみつつ実施することとする。そのため、本年度前半は参考文献調査、および「こどもの活動調査」2008-09版データを用いて①調査地である高地と低地を分けた比較分析、②義務教育年齢(6-15歳)と16-17歳のこどもに分け、教育達成(在籍・留年中退) 状況を比較分析してみることとする。本年度後半に現地調査が実施できることを想定し、①高地の情報収集、②調査票の準備(シンハラ語・タミル語)をする。現地調査が可能な場合には、①デモグラフィック(役場・学校・公共交通機関・雇用者へのインタビュー)、②居住地域の社会基盤、③教育環境(通学手段、通学距離の計測など)について調査を行うとともに、④農園・農村における調査内容の許可取得、および農園経営者へのインタビュー、⑤パネル調査対象者(低地、高地ともに半公営農園:15世帯、民間農園:15-20世帯、個人農家:10世帯の計80-90世帯)を募る予定である。データ取得および現地調査については、コロナ禍の影響とスリランカ情勢をみつつ、柔軟に対応する予定である。

2023年度以降については二次分析(教育格差の関係分析)およびパネル調査(世帯状況の変化)を予定している。具体的には①データ比較・分析:2008/09年版-2016年版の(傾向の変化や新たな特徴について)比較考察と居住地域間の教育格差についてのデータ二次分析。②パネル調査からは教育格差の要因を探る。最終年度は、主に論文投稿と共通要因の一般化の検証を行う。具体的にはデータ二次分析と現地調査の結果から、① 全体の共通要因、①地域特有の要因との因果関係の構造を体系的に分析・考察する。状況により補足調査や衛生状況の実験を行う。

Causes of Carryover

2021年度は学会発表を10月と3月におこなった。10月の学会では年会費と参加費が必要であり、直接経費から支払った。
また、渡航が困難であったことから、次年度に繰り越しすることとなった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Disparity in Quality of Life and Education Attainment of Children within the Tea Sector: Case study in Low-country in Sri Lanka2022

    • Author(s)
      YUKO FUKUDA, EIJI YAMAJI
    • Organizer
      International Society of Environmental and Rural Development
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] スリランカ農園部におけるこどもを取巻く環境と教育達成 -紅茶農園が主にある 9 県を対象に-2021

    • Author(s)
      福田祐子
    • Organizer
      南アジア学会
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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