2021 Fiscal Year Research-status Report
Authenticity of food culture and rural tourism in Japan, France and Italy: between gentrification and the SDGs
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21K17975
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森崎 美穂子 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 客員研究員 (60812708)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SDGs / 地域経済 / フランス / 景観 / 農村ツーリズム / 食文化 / テロワール産品 / 山岳地帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、SDGsの観点から、地域の食文化と景観の真正化を通じた持続的農村ツーリズム振興の実態解明を目的としている。山岳地域に特徴的な果樹「栗」を中心とした農村ツーリズムを共通テーマとし、日本、フランス、イタリアの比較研究を行う。 2021年度は、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))によるフランスでの研究調査を行えたことで、本研究課題における各国の比較研究のうちフランスにかかわる部分の調査を進めることができた。 とりわけ、フランスにおける山岳地帯では、チーズの食文化がスキー観光と結合し、地域経済の中核となる優れた事例となっている。これらは、本研究課題を解明する重要な手がかりになるものとして調査を行った。 ここでは、チーズという事物(食文化)のみならず、放牧、景観、そして、スキー観光産業など、多様なアクターが、フランスチーズのブランドイメージの確立に関与していた。スキー観光産業は、スイスなど隣国の富裕層も誘客し、伝統的なチーズの食文化は、スキーリゾートを選択する要素となっている。彼らは、高付加価値化された高級なチーズの消費を牽引している。また彼らからのチーズ等食文化の評判は、農村地域の全体のイメージを高め、観光振興と地域経済に貢献している。ただし、山岳地帯のホテルやセカンドハウスの需要の高まりによる山岳地帯の都市化圧力は、酪農家が撤退する要因となっている。酪農業と観光とのより持続可能な関係の構築が課題となっている。 こうした山岳地帯の観光振興の課題を踏まえ、本研究課題の解明を進めることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))のためにフランスで研究を行っていたために、国内、イタリアでの調査は遂行できなかった。 平時であれば、フランスとイタリア間の移動はスムーズであるが、2021年度も度々行動制限があり、海外での調査をすべて行うことが叶わなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、国内調査を行う。フランスおよびイタリアでの調査については、新型コロナウイルス感染症の状況を注視し可能であれば実施する。調査と並行して、文献調査を行い、これらの本研究課題にかかる学会報告、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度は、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))によるフランスでの調査のみとなったため本研究課題での使用がなかった。平時であれば、イタリアとフランス間の移動はスムーズであるが、新型コロナウイルス感染症の影響で、行き来しての調査が難しかった。2022年度は国内調査、また状況を注視し、イタリアでの調査の実施を予定している。
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Research Products
(6 results)