2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K17977
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
藤井 紘司 千葉商科大学, 人間社会学部, 講師 (80879867)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 離島 / コミュニティ / 観光危機管理 / 持続可能な観光 / 新島 / コンテンツ・ツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、全国の離島DMOや観光協会、自治体等のコロナ方策状況を公式WEBサイト、公式SNS及びウェブ上より記事を網羅的に収集し、適宜、電話取材やZoom等のオンライン取材を実施した。前年度の調査をふくめ日本観光研究学会の『新型コロナ・特別プロジェクト報告書(2020年5月~2021年5月)』において「離島DMO・観光協会の新型コロナウイルス感染症方策」(2021年6月)を執筆した。 また、本研究において重点フィールドに設定している伊豆諸島の新島村でフィールド調査を実施し、新島村商工会や新島観光協会、新島ガラスアートセンター等へのヒヤリングや行政資料の収集にあたった。とくに、コンテンツ・ツーリズム関連の動向に注目した。その結果、メディアからのロケ地使用の問い合わせが増加するなか「新島・式根島ロケーションボックス」(2015年~)を発足させ、関係機関や観光資源等をネットワーク化し、ロケ誘致を図っていることがわかった。また、この組織(新島・式根島ロケーションボックス)が島のイメージダウンにつながるコンテンツかどうかといった点や、誤った情報を伝えていないのかといった点をチェックすることで、コンテンツ・ツーリズム関連の観光リスク管理を行っていることがあきらかになった。 これらの取り組みは、離島コミュニティによる観光危機を回避/緩和する方策といえ、本研究の目標とする持続可能な観光に資する観光危機管理の島しょモデルの一事例に位置づけることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度にあたる2021年度は、フィールドワークを実施しない予定であったが、オミクロン株の流入直前の新規感染者数が非常に低い水準となった時期にフィールド調査を実施することができた(2022年1月に調査報告書を取りまとめた)。ただし、全国規模のコロナ方策状況の把握作業は、新型コロナウイルスの変異や社会情勢の急激な変化を受け、十分にキャッチアップすることができていない状態にある。以上の課題はあるものの、初年度としてはおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、新型コロナウイルス等の状況をふまえながら、主たる調査フィールドにおいてヒヤリングを重ねていく。前年度の調査結果をもとに口頭発表を実施し、また、調査データを当事者や自治体に還元していく。
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Causes of Carryover |
とくになし。
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Research Products
(2 results)