2021 Fiscal Year Research-status Report
The development of Rape Myth Acceptance Scale reflecting Japanese social-cultural situations and comprehensive study about the factor of the acceptance
Project/Area Number |
21K17986
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
横山 麻衣 静岡大学, 男女共同参画推進室, 助教 (60756089)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 性暴力 / 強かん神話 / 計量テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
#Me Tooという性暴力を告発する運動は国際的な盛り上がりを見せており,フェミニズムの第4波とも言われている.しかし,日本では被害者への非難の方が顕著で,欧米諸国と異なっているのみならず,アジア諸国の中でも特異な様相を呈しているようにも見える.1970年代から展開されてきた強かん神話研究は,そうした,被害者にこそ落ち度があるとし,性暴力を容認・正当化するような考え方が,いかなる属性・経験・意識を持つ者によって支持されるかなどについて明らかにしてきた.国際的な動向から逸脱しているように見える日本の特異さを見る限り,日本における強かん神話支持状況を明らかにすることは社会的に意義深いと思われるが,日本では強かん神話研究があまり蓄積されてこなかった. プレ調査として実施した日本の大学生を対象にした強かん神話に対する支持についての調査の結果では,過半数の質問項目において,「わからない」と回答された割合が3割を超えた.海外で開発された強かん神話尺度を翻訳して用いたため,ワーディングの問題もないわけではないが,内容を見る限り,性暴力に関して前提として共有されている知識や社会的文化的状況が大きく異なっていることが要因であるように思われた. そこで,本研究では,日本の社会的文化的状況に即した強かん神話尺度を開発するための質問項目を検討することを目的とし,可能なかぎり広く強かん神話を拾い上げるために,インターネット掲示板等に投稿される,性暴力に関する話題やニュース記事への人々の反応を対象に,KH Corderを用いて計量テキスト分析を行った. その結果,欧米先進諸国で開発されてきた既存の強かん神話尺度では言及されてこなかった強かん神話が存在することがうかがえた.その要因としては,日本の刑法や刑事司法制度の特徴,グローバルスタンダードからかけ離れた性教育などが関係していると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のとおり,強かん神話についての計量テキスト分析を進め,その結果について学会報告し,日本の社会的文化的状況に即した強かん神話についての論文執筆・投稿を完了することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
折半法に基づき、作成した質問文案を2分して、大学生を対象に調査票調査を行ない、信頼性係数を推定し、回答結果が正規分布となるか分析する予定である.ただし,授業形式が対面で実施されるかは科目によって異なるため,調査票調査のみならずオンライン調査も視野に入れて準備を進める.
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Causes of Carryover |
2022年度は,調査票調査(および/あるいは,オンライン調査)を実施する予定である.調査票の作成と印刷,オンライン調査を行う場合には回答ページの作成,および,文献の購入などが主な支出内容となる予定である.
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Research Products
(2 results)