2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of Rape Myth Acceptance Scale reflecting Japanese social-cultural situations and comprehensive study about the factor of the acceptance
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21K17986
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
横山 麻衣 立教大学, 社会学部, 助教 (60756089)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 強かん神話(レイプ神話) / ジェンダーベイスドバイオレンス / 規範 / 偏見 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、大学生を対象とした折半法による調査票調査実施を予定していた。それゆえ、引き続き、尺度開発に向けて強かん神話の拾い上げと、海外で開発されてきた既存の尺度のバックトランスレーションを行った。2021年度に明らかにした日本の社会的文化的状況に即した強かん神話に加え、脆弱性を高めうる特徴(例:障がいがある)を持つ者は性的な魅力に欠けるといった偏見や思い込みがあることが明らかとなった。そうした特徴を持つ者の被害や予防のための判断・行動への無理解があり、強かん神話として機能していると考えられる。 また、2021年以降、SGM(Sexual and Gender Minority)の人々をも想起しうるジェンダーインクルーシブな尺度開発が行われており、それら研究のレビューを行った。その結果、女性に対する男性からの暴力を想定した既存の尺度の性別を無化したものなどがあり(例:多くの女性はひそかにレイプされたいと望んでいる→多くの人はひそかにレイプされたいと望んでいる)、それら尺度を用いたオンラインモニター調査では、強かん神話への支持度が全体的に顕著に低いことが明らかにされていた。 一般的に、男女に課される性的な規範はダブルスタンダードであるため、女性が想定される強かん神話について、性別を無化した質問文からなる尺度を用いて検証しても、社会的に共有されている強かん神話を適切に把握しえない上に、問題の所在を曖昧にしてしまう可能性があると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属先変更に伴い、担当科目の履修学生合計数が大幅に減少したため、大学生対象調査を断念し、オンラインモニター調査に切り替えを試みた。しかしながら、性的かつ被害者を非難する内容であることからモニター会社での審査に時間を要し、年度内に調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の先行研究を見る限り、強かん神話に関するオンラインモニター調査が7年以上前から利用されている。それゆえ、同様のモニター会社の日本支部に依頼したが拒否されたため、他の調査会社に打診を行っている。候補となる調査会社をさらに探索し、引き続き打診を行う予定である。
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Causes of Carryover |
既述したとおり、所属先異動に伴う調査対象者の変更後、調査会社における審査に時間を要し、調査の実施がスムースにいかなかったため。目途が立ち次第、実査に使用する予定である。
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